支持者ら議事堂侵入 トランプ氏への批判も
アメリカの首都ワシントンの議事堂にトランプ大統領の支持者らが侵入し、混乱の中、銃撃を受けた女性が死亡しました。
死者が出る事態に発展したことを受けて、ホワイトハウスの高官に辞任する動きが出ているほか、歴代大統領らからも批判の声が上がっています。
議事堂への侵入は、大統領選の結果を認定する手続きの最中に起きました。地元メディアによりますと、トランプ大統領の支持者とみられる女性が胸に銃撃を受け、その後、死亡しています。
この直前、トランプ大統領は、支持者数万人を集めた集会で、議会に向かうよう、あおっていました。
トランプ大統領「議会に向かって歩こう。そして勇敢な議員たちを勇気づけよう!」
この発言が、結果的に死者を出す事態を引き起こしたことを受けて、トランプ大統領は、「自宅に戻ろう」などと呼びかけるビデオメッセージを急きょ公開しましたが、大統領への批判は高まっています。
トランプ政権のマティス元国防長官が、「アメリカの民主主義を封じ込める暴力は、トランプ大統領によって扇動された」と痛烈に批判したほか、オバマ前大統領は、「この日の暴動は、アメリカのひどい不名誉と恥として歴史に残るだろう」との声明を出しました。
議事堂内ではさきほど、侵入した支持者を排除した上で、大統領選の結果を確定させる手続きは再開されました。
トランプ大統領に近い共和党の幹部からも「民主主義を破壊する行為は失敗した」と、速やかな再開の意義を訴える声があがっています。
こうした中、ホワイトハウスの複数の高官に辞任の動きも広がっていて、地元メディアは、安全保障の司令塔、オブライエン大統領補佐官らが辞任するとの観測も伝えています。