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日本政府に賠償命令 総額約1億1千万円

2021年1月8日 11:50

韓国で、元慰安婦の女性らが日本政府を相手取り損害賠償を求めた裁判で、8日、韓国の裁判所は日本政府への賠償を命じる判決を言い渡しました。ソウルから中継です。

韓国の裁判所が日本政府に賠償を命じたのはこれが初めてです。今後、日本の国有財産の差し押さえの可能性もあり、日韓関係への打撃は避けられないものとみられます。

この裁判は2016年、元慰安婦と遺族ら12人が「反倫理的な犯罪について日本の法的責任を明確にする」として、日本政府を相手取り、総額1億1000万円あまりの損害賠償を求めていたものです。

日本政府は、国際法上、外国政府が他国の裁判で被告にはならないとする「主権免除」の原則から訴えは却下されるべきと主張し、これが争点になっていました。

8日の裁判で、ソウル中央地裁は「反人道的な犯罪行為で主権免除は適用されない」として、原告側の訴えを全面的に認め、日本政府に1億1000万円あまりの賠償を命じました。

このまま判決が確定した場合、韓国国内の日本の国有財産が差し押さえられる可能性もあり、いわゆる元徴用工訴訟と同様に、今回の司法判断は、日韓関係に深刻な影響を与えることになります。