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大人気!モスクワに立つ“プーチン大統領と習主席” 広大な中国式庭園も…「脱ロシア」のウラで広がる中国の“存在感”

2023年6月15日 9:01
大人気!モスクワに立つ“プーチン大統領と習主席” 広大な中国式庭園も…「脱ロシア」のウラで広がる中国の“存在感”
モスクワの土産物店前の人気スポットに

ロシア・モスクワ中心部の歩行者天国「アルバート通り」に今、“プーチン大統領と中国・習近平国家主席”が並んで立っている。もちろん本物ではなく、土産物店が5月に店先に設置した「等身大のパネル」だが、通りすがりの市民や観光客に大人気だ。2人のビッグネームの間に立って記念写真を撮るのが定番のフォトスポットになっている。

土産店の責任者に話を聞けば「パネルは1か月前から置いていて、仲の良い露中関係を表している。記念写真は無料ですよ」と、くったくなく笑う。店内に入れば、ロシア特産のハチミツなどに「中国語の値札」も付けられていた。

ロシアへの中国人観光客は新型コロナウイルス感染拡大で激減していたが、少しずつ戻り始めていて、旅行業界では「早ければ8月には緩やかな増加が期待できる」とみている。“両首脳”のフォトスポットは「中国人旅行者を呼びこむためのものですよ」と店主は明かした。

モスクワは今、初夏の観光シーズンを迎えつつある。夏休み前とあって海外からの観光客はまだそれほど多くはないが、それでも「赤の広場」を訪ねてみると、中国からの数組の団体旅行客に出くわした。

中国人男性に話を聞くと、「ロシアは広大で、他の街は知らないがモスクワは魅力的ですね」と目を輝かせた。中国とロシアが関係を強化している背景については、「西側の制裁によってロシアは多くのものを必要としていると思うが、中国はそれらを供給することができる」と、きっぱりと述べた。

ロシアでは3月中旬に習主席がモスクワを訪問して以降、“中国色”が少しずつ強まっている。2日間にわたったプーチン大統領との会談では、両国の協力強化を確認した。

その具体化は、徐々に始まっている。“ロシアの日銀”にあたるロシア中央銀行は3月、「従業員を対象に、2年間でグループごとに288時間のビジネス中国語(基礎レベル)教育を行う」ことを決めた。

ロシアを代表する航空会社「アエロフロート・ロシア航空」は、6月2日から北京、上海、広州行きを週4便に増やすと発表している。

モスクワ東北部には去年10月、“中国”が出現した。「モスクワ中国貿易センター」は、東京ドーム10個分の6.7ヘクタールに及ぶ広さで、敷地には孔子像が立つ。オフィスビルとホテル、中国式庭園を備え、習主席のロシア訪問時に代表団の宿舎として使用された。

ここでは5月に中国の企業「華明投資有限公司」が3回目となる企業採用説明会を開いた。取材は許されなかったが、公開された情報によると語学試験も行われ、中国語ができるロシア人の採用が目的だったとみられる。

日本を含め西側が徐々に「脱ロシア」を進める中、孤立を深めるロシアは巨大化する中国を警戒しつつも、官民ともますます関係を深めつつある。