ウクライナ反転攻勢へ… 数万人規模の“志願兵”を募集 戦闘未経験者も…
反転攻勢の準備を進めるウクライナでは、新たに数万人規模の志願兵を募集しているといいます。年齢や性別を問わず、多くの人が面接を受けており、なかには戦闘経験が一度もない人もいるといいます。侵攻開始から間もなく1年3か月となるウクライナの今を取材しました。
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ゼレンスキー大統領
「重要な戦闘がまもなく始まる」
先月30日、ウクライナのゼレンスキー大統領は大規模な反転攻勢を示唆しました。
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15日、ウクライナの首都・キーウの街を訪れると…
記者
「反転攻勢の準備が進むウクライナでは、街の至る所に新たな兵士を募集する看板があります」
看板には「あなたの怒りを武器に」と書かれていました。新たに数万人規模の志願兵を募集しているといいます。
16日、キーウにあるオフィスで行われていたのは、志願兵の採用面接です。
面接官
「応募理由は?」
志願兵に応募したミコラ・グックさん(24)
「祖国を守るためにロシア兵を追放したいからです。ウクライナが正常に発展し続けることを願っています」
ミコラ・グックさん(24)は、IT企業の会社員で軍での戦闘経験は一度もありません。
面接官
「走っていますか?」
志願兵に応募したミコラ・グックさん(24)
「はい」
面接官
「どのくらいの距離を」
志願兵に応募したミコラ・グックさん(24)
「週末は5キロほど走りました」
年齢や性別を問わず、多くの人が面接を受けているといいます。この面接で志願兵としての採用が決まったミコラさんですが、実は…
面接官
「ご両親はあなたが今どこにいるか分かってる?」
志願兵に応募したミコラ・グックさん(24)
「アゾフ(旅団)にいくことを?いいえ知りません」
面接官
「いつ知らせる予定?」
志願兵に応募したミコラ・グックさん(24)
「戦場へ着いたとき」
ミコラさんら志願兵が投入される「アゾフ旅団」は南東部の要衝、“マリウポリ”の製鉄所で最後まで抵抗を続けた部隊です。司令官代理のボグダン氏は、一時、ロシア側の捕虜となっていた時期があるといいます。解放された後、口にしたのは部隊再建への思いでした。
アゾフ旅団 ボグダン司令官代理
「独房ではウクライナがまだ存在するのか、戦況はどうなっているのか。自分はどうやって国に戻り、部隊を復活させるのかずっと考えていました」
アゾフ旅団は、新たに1000人以上の志願兵を採用し、反転攻勢の準備を進めています。さらに、ウクライナが開発に力を入れる国産の“攻撃型ドローン”は、専門部隊を新設し、前線にはすでに100機以上が投入されているといいます。
ドローン軍を統括するユーリ・シチホリ局長
「勝利をつかみ取るための未来の武器です」
反転攻勢について街の人は…
ウクライナ市民
「良い結果になると確信しています。すべての兵士が無事で帰ってくることを祈っています」
侵攻開始から1年3か月。今も犠牲者は増え続けています。
(5月18日放送『news zero』より)