ＷＨＯ（＝世界保健機関）は１１日、各国で新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、世界の多くの人が免疫を獲得し感染が広がりにくくなる「集団免疫」は今年中には達成できない、との見通しを示しました。

「集団免疫」とは、多くの人が感染したりワクチンを接種したりして体内に免疫を持つことで感染が広がりにくくなる状態です。

ＷＨＯの主任科学者は、１１日ワクチンが世界に行き渡るにはまだ時間がかかるとした上で、「今年中にワクチンによる集団免疫を達成することはなく、いくつかの国でできたとしても世界中の人々を守るものにはならないだろう」と述べました。

一方、中国の製薬大手「シノファーム」と「シノバック」がそれぞれ開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、緊急使用の承認に向けた手続きを進めていることも明らかにしました。

ＷＨＯがお墨付きを与えることで、審査体制が整っていない途上国などで接種が進むことが期待されています。