高齢者への“アストラ”接種 EU各国慎重
イギリスの製薬大手アストラゼネカが製造する新型コロナウイルスワクチンについて、EU(=ヨーロッパ連合)の加盟国で、臨床試験のデータ不足を理由に高齢者への接種を控える動きが広がっています。
このワクチンは、アストラゼネカがオックスフォード大学と共同開発したもので、先月29日にEU域内で18歳以上への使用が承認されました。
しかし、ドイツが高齢者への臨床データが少ないとして現段階で65歳以上への接種の推奨を控えると表明し、イタリアやオーストリアも、高齢者への接種をしばらく見送る判断を下しました。
高齢者の臨床試験のデータ不足についてはEUも認めていますが、承認の際は「緊急性がデータ不足の欠点を上回る」と説明しています。
ドイツやオーストリアなどは、より慎重に判断すべきとした形で、今後、追加の臨床試験の結果を分析し、改めて検討するということです。
一方のアストラゼネカは高齢者への接種について、「臨床データが少ないというだけで、効果については問題ない」とコメントしています。
このワクチンは、日本にも9000万回分が供給される予定となっています。