WTO事務局長選 韓国の候補が辞退を発表
WTO(=世界貿易機関)の次のトップを選ぶ選挙で、最終候補の1人になっていた韓国の候補者が、5日、辞退すると発表しました。これでナイジェリアの候補者に一本化され、新たなトップに決まる見通しです。
韓国の産業通商資源省の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長は、5日夕方に記者会見を行い、WTOの事務局長候補から辞退すると発表しました。
兪氏は自らの辞退によって、「WTOが現在のリーダーシップ空白を早く解消し、主な課題を一日も進展できることを願う」と述べました。
これで残る候補者は、ナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相1人となり、近くWTOの理事会で加盟国の同意が得られれば、新たな事務局長に選出される見通しです。
WTOの事務局長のポストをめぐっては、去年10月までに最終候補2人に絞り込まれていましたが、オコンジョイウェアラ氏への一本化にアメリカが反対し調整が難航。5か月以上、トップ不在の異例の状態が続いていました。
韓国は、日本による輸出管理の強化措置など懸案を抱える中、官民を挙げて兪氏を支援しましたが、加盟国の支持は広がらず、最終的に辞退に追い込まれた形です。