福島第一被ばく「健康被害考えにくい」国連
福島第一原発事故から10年になるのを前に、国連科学委員会は9日、被ばくを直接の原因とする「健康被害が発生することは考えにくい」などとする報告書を公表しました。
福島第一原発事故の放射線の健康への影響について、専門家による国連科学委員会は、2019年までに公表された観測データや世界中で発表された論文を分析し、日本人の食生活や行動を基にしたモデル計算を行ったということです。
その結果、「被ばくが直接の原因となるような将来的な健康への影響は見られそうにない」と結論づけました。
また、被ばくした子供たちのなかで、甲状腺がんと診断されるケースが大きく増えたことについては、検査の感度が高まったためで、原発事故とは直接関係がないと指摘しています。
その上で「子供を含む全ての年齢層で被ばくが関係した甲状腺がんの発生は見られそうにない」としています。