天然の炭酸水が湧く水源を発見 タイで初
東南アジア・タイでは、当局が偶然、炭酸水が湧き出る水源を掘り当てて、連日、大勢の人が訪れるほどの人気を集めています。タイで初めて見つかったというこの水源。その現場から、バンコク支局の杉道生支局長がお伝えします。
首都バンコクから車で3時間ほどのカンチャナブリです。畑以外には何もないこの場所に、お見せしたいものがあります。
――水が噴き出していますね。
地下300メートルから湧き出す地下水ですが、これ、ただの水ではないんです。よく見ると…何か気がつきますか?
――…ちょっとシュワシュワしていますか?
そうです。この水、天然の炭酸水なのです。なぜ、この場所で炭酸水が湧き出しているのかなのですが、ドローンで上から見てみますと、草木がほとんどないのがわかります。
ここカンチャナブリは雨が少なく、干ばつが起きやすい地域なんです。そこでタイ当局が、農業用の水を確保しようと井戸を掘っていたところ、偶然、この炭酸水の水源が見つかったのです。
水はミネラルが豊富な石灰岩の地層を通ることで、炭酸水に変化したということです。少しであれば飲んで良いと許可をいただきましたので、飲んでみます。
…確かに炭酸ですが、微炭酸ですね。コップを見ても、泡は出ていません。ですが、飲むと少しシュワシュワとした感じがあります。味は少し鉄っぽいのですが、わずかに甘みもあるように感じます。
こうした水源が見つかるのは、タイで初めてです。当局は近くに簡易のろ過施設を作り、市民らに水を無料で配っています。ろ過すると炭酸自体は抜けてしまいますが、ミネラルを豊富に含むいわば“高級ミネラルウオーター”だと人気を呼んでいます。連日、大勢の人が訪れていて、週末は行列ができるほどだといいます。
そして、商魂たくましいタイの人たち。近くに出店を構えてフルーツやお土産ものを売っています。話を聞いてみると、街中よりもひっきりなしに人が訪れるので、商売の効率がいいのだそうです。新たな観光スポットに…との期待も高まっています。
タイ政府もおよそ100億円を投じて、本格的な浄化施設などをつくる計画です。思わぬ自然の恵みに期待が膨らむタイ・カンチャナブリからお伝えしました。