クーデターが起きたミャンマーで２７日、軍の式典に合わせて各地で抗議デモが行われました。これに対し、治安部隊が銃撃を繰り返し、一日としては最悪となる少なくとも１１４人が死亡しました。

これはミャンマー南部ダウェーの防犯カメラの映像です。すれ違うバイクに対して、車の荷台に乗った治安部隊がいきなり発砲。さらに、逃げようとする無抵抗の２人に再び発砲します。また、地元メディアは、車の中で子どもを抱きかかえながら泣き叫ぶ父親や、ゴム弾で目を撃たれ大けがをした１歳児の様子などを報じています。

ミャンマーでは２７日、軍の式典に反発する市民らが各地で抗議デモを行いました。これに対して治安部隊は銃撃を繰り返し、地元メディアによりますと、１３歳の少女など複数の子どもを含む少なくとも１１４人が死亡しました。一日の犠牲者としては最悪の規模で、先月１日のクーデター以降の死者は４００人を超えるとみられます。

ミャンマー軍が２７日に行った「国軍記念日」の式典で、軍トップのミン・アウン・フライン総司令官は改めて、クーデターの正当性を主張しました。

この式典を前に軍は、デモに参加する若者らに対して「頭や背中を撃たれる危険性がある」と警告していました。軍による弾圧が強まる中、軍との外交関係を強化する動きも出ています。ロシアは国防次官を式典に派遣していて、軍としては後ろ盾を得た形です。

一方、治安部隊による弾圧で多くの犠牲者が出たことを受けて、国連のグテーレス事務総長は２７日、「最も強く非難する」とする声明を発表し、「毅然とした国際的な対応が必要だ」と述べました。

また、軍に対して暴力や弾圧をやめるよう求めた上で、「深刻な人権侵害を行った者は、責任を負わなければならない」と訴えました。