米国で特番 大統領や女優が接種を呼びかけ
アメリカで、ワクチン接種を呼びかける特別番組が放送されました。現職のバイデン大統領をはじめ、オバマ元大統領や女優のジェニファー・ロペスさんらが接種を呼びかけました。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。
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アフリカ南部、ジンバブエ。開かれた門から出てきたのは刑務所に収監されていた大勢の受刑者です。3万7000人以上が感染しているジンバブエでは、刑務所が受刑者で過密状態。刑務所の中での感染拡大を防ぐため、3000人あまりの受刑者に恩赦が与えられたのです。
釈放された囚人「自由になれてうれしい。家に帰れるし両親や友人に会えるからね」
今回釈放された受刑者の多くは政治犯として収容されていたということです。
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世界では17日、新型コロナウイルスによる死者が300万人を超えました。去年1月に中国で初の死者が報じられて以降、世界の死者は8か月半ほどで100万人に。そこから200万人に達するのにおよそ3か月半、300万人に達するまでには3か月ほどと、増加のペースは加速しています。
世界では1週間の新規感染者数も536万人と過去最多に。WHO(=世界保健機関)は、新規感染者増加の背景には変異ウイルスの拡大などがあるとしています。
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こうした中、世界最多の3167万人以上が感染したアメリカでは主要テレビ局、NBCが1時間の特番を放送しました。
ミシェル・オバマ元大統領夫人「アメリカでワクチンが普及してほしい」
ミシェル・オバマ元大統領夫人や、女優のジェニファー・ロペスさんらが出演し、呼びかけたのはワクチンの接種。ブッシュ元大統領がワクチンを打つ様子も放送されました。
ブッシュ元大統領「袖をまくって、あなたの役目を果たしてください。あなた次第なんです」
オバマ元大統領は、白人よりワクチン接種率が低いとされる黒人やヒスパニック系の人々に接種を呼びかけました。
オバマ元大統領「特にアフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系、そして若者により多くの人がワクチンが命を救い、人々の生活が元に戻るとわかってほしい」
バイデン大統領は…。
バイデン大統領「あす19日から全ての成人が接種を受けられる」
アメリカでは全人口の4分の1ほどがワクチンの接種を終えています。
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一方、世界で最初に感染が拡大した中国では、19日、世界中からおよそ1000社が参加し上海モーターショーが開幕。感染を抑え込み、ワクチン接種が進む中国では警戒感が薄れ、コロナ禍を感じさせない状況になっていました。
密になってステージを囲む人たち。その中ほどには、マスクをつけずほぼ密着状態で座る人たちが。会場ではマスクの着用が義務づけられていて、多くの人はマスクをしていましたが、中にはマスクをせずに会話などをする人の姿も見られました。
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マスクの着用が不要になった国も。世界トップクラスでワクチンの接種が進むイスラエル。穏やかな日曜日、外を歩く人々は誰もマスクをしていません。ベンチでリラックスし食事をしたり、会話を楽しんだり。男性が読む新聞の見出しには“自由に息をする”と書かれていました。
地元メディアによりますと、イスラエルでは感染者数が減り、屋外でのマスク着用義務が解除に。
「変な感じだけど、とてもいい意味で変な感じです。マスクは長い間自分の一部みたいだったので、つけないのはすごく変な感じだけどいいことです」
人口の6割以上が少なくとも1回はワクチンを接種しているイスラエル。この日、学校も完全に再開しました。
母親「きょうはみんなにとってとてもうれしい日です」
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387万人以上が感染したイタリアでは、ある特別な列車の運行が始まりました。首都ローマからミラノへ向かう国営鉄道の列車。乗ることができるのは、新型コロナの検査で陰性が確認された人だけです。
乗客「とても効率がよく便利だと思います」
ロイター通信などによりますと、乗車するには48時間以内に受けた検査での陰性証明書を提出するか、当日、駅で検査を受けるか選び、陽性が確認されると乗車できません。