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感染者急増で医療崩壊 火葬待ちも… 印

2021年4月28日 21:05

感染拡大に歯止めがかからないインドでは医療崩壊が深刻な状況です。さらに、死者も急増していて、火葬を何時間も待つ事態も起きています。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。

□インド

28日、1日当たりの新規感染者数が36万人以上となったインド。1日当たりの死者数は3000人を超え、いずれも過去最多を更新。(1日当たりの新感染者 36万0960人 1日当たりの死者 3293人 インド保健当局 28日)

これまでの死者数の合計は20万人以上となりました。(感染者 1799万7267人 死者 20万1187人 インド保健当局 28日)

27日、インドの首都ニューデリー近郊にある寺院には、息苦しそうに横たわる多くの人の姿がありました。

現在、インドでは感染者が急増しているため、医療物資や病床不足が起き、病院を受診できない人が増加。寺院では無料で酸素吸入や医療支援を行っているのです。

医療崩壊が起きているインドでは死者も増え、火葬場には何台もの救急車が並んでいます。

救急車の運転手
「いまは(火葬まで)2時間も待たないといけない」

火葬するのに何時間も待つ事態になり、仮設の火葬場を建設して対応に追われていました。

こうした中、26日にマディヤ・プラデシュ州で、防護服を着て行われていたのは、なんと結婚式。実は新郎、新型コロナに感染。ただどうしても結婚式をやりたいとのことで、防護服姿での結婚式となったといいます。

新郎の父
「何日も結婚式を延期していたが、息子が無症状で数日たったので、問題ないだろうと行った」

警察官も見守る中、厳重な警戒態勢で行われていました。

□アメリカ

世界最多となる3200万人以上が感染したアメリカ。(感染者 3217万6051人 死者 57万3381人 米ジョンズ・ホプキンス大 28日午後5時時点)

ニューヨークでは27日、天気に恵まれ、公園内には多くの人たちの姿がありました。

記者
「こうして皆さん、外でもマスクを着用していますが、このマスクに関して新たなガイダンスが発表されました」

アメリカのCDC・疾病対策センターが27日に発表したのは、新型コロナウイルスのワクチン接種が完了すれば、屋外での活動の際、マスクの着用を一部で不要とする新たなガイダンスです。

対象となるのは、必要な回数のワクチン接種から2週間が経過した人。屋外での小規模な集まりや、友人らとの飲食店での屋外飲食などには、接種が完了していない人が同席していても、マスクを着用しなくてもよい、としています。

ただ、屋外であっても、コンサートやスポーツイベントなど、人が混み合う場所、そして屋内では、引き続きマスクの着用を促しています。

この新たなガイダンスに関してニューヨーク州は…

ニューヨーク州 クオモ知事
「ニューヨークはそのガイダンスを採用しました。ニューヨーク州でも施行される予定です」

ニューヨーク市民は…

ニューヨーク市民
「ワクチン接種した人と一緒であれば、いいことだと思います」

ワクチン接種完了したニューヨーク市民
「これからも長い間着用します。自分のためではなく、他の人を感染させないためです」

CDCによりますと、アメリカ全体でワクチン接種が完了しているのは全人口の3割ほどだということです。(全米のワクチン接種の状況 接種が完了した人→全人口の29.1% 27日現在、CDCまとめ)

□韓国

韓国でも、ワクチン接種に関する新たな動きがありました。(感染者 12万0673人 死者1821人  韓国・保健当局 28日)

韓国では現在、防疫対策として、入国した人に対し、原則、罰則付きで2週間の隔離を義務づけていますが、28日、保健当局は、2回目の接種を終えて2週間たった人を対象に、隔離を免除する措置を来月5日から始めると発表しました。

韓国・保健当局
「国内で予防接種を完了して出国し、帰国した場合は、コロナ検査が陰性で症状がなければ、隔離を免除します」

2回のワクチン接種を終えた人は人口の0.3パーセントほどにとどまっている韓国。(2次接種完了 14万8282人→人口の0.3%)

29日からは、東京オリンピックの選手団900人あまりにも接種が始まる予定で、韓国政府としては、ワクチン接種によって往来の活性化を進めたい考えです。

□中国

ワクチン接種を急ピッチで進めている中国。(感染者 9万0622人 死者 4636人 中国・衛生当局 28日現在)

上海のショッピングモールにあるワクチンの接種会場には、長い行列がありました。

記者
「こちらのワクチン接種会場では、ワクチンを打った人に食用油や米を無料で配布しているんです」

米5キロと、食用油2.5リットル、スナック菓子の中から2種類、無料でもらえます。

接種した人
「昨日、友達からお米がもらえると聞いて来ました」

接種した人
「どうせ接種するなら、ここはプレゼントがもらえるからいいと思ったわ」

地元政府がここまでする理由… 実は上海では、街中での新規感染者が2か月半以上、確認されていないため、「急いでワクチンを打つ必要はない」と考える人が少なくないのです。

ワクチン接種について中国政府は建前上、「個人の自由」としていますが、実際には、各地の自治体に接種率などのノルマが課されているとみられています。