韓国・文大統領 北朝鮮との対話再開に決意
韓国の文在寅大統領は10日、就任4年に合わせて演説を行い、残り任期1年での北朝鮮と対話再開に向けた決意を語った。
文大統領は演説で、朝鮮半島をめぐる問題について「残りの任期1年、未完の平和から不可逆的な平和へ進む最後の機会にする」と決意を表明した。
その上で、アメリカのバイデン政権が対北朝鮮政策の検討を完了したことについて、「私たちと緊密に協議した結果」だと主張。朝鮮半島の完全な非核化を基本目標とし、米朝共同声明を土台とした上で「外交を通じて柔軟かつ漸進的、実用的なアプローチで解決していく政策の方向性を歓迎する」と述べた。
その上で、今月下旬に予定されている米韓首脳会談で対北朝鮮政策をより緊密に調整し、南北間、米朝間の対話を復元して「平和協力の一歩を再び踏み出すための道を見つける」と強調した。
さらに「平和の時計をまた回して朝鮮半島の平和プロセスを進展させていく機会が訪れたら、全力を尽くす」とし、「北朝鮮の呼応を期待する」と北朝鮮側に対話に応じるよう呼びかけた。
一方で、先月下旬、脱北者団体が金正恩総書記を批判するビラなどを大型風船で散布したことを念頭に、「南北合意と現行法を違反して南北関係に冷水を浴びせることは、決して望ましくない」と懸念を示した。
その上で「政府としては厳正な法執行をせざるを得ないこと」として厳しく対処することを明らかにした。