中国側“正常運転”原発で放射性物質漏れか
中国の原子力発電所から、放射性物質が漏えいしているとの指摘があったとアメリカCNNが報じました。中国側は正常に運転していると安全性を強調しています。この件を受け加藤官房長官は、中国による透明性のある説明を求めました。
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広東省にある台山原発。ロイター通信によりますと、初の第三世代型原子炉として2018年に運転をスタートさせています。
しかし、稼働からおよそ2年半。中国の企業と共に、運転に関わっているフランス企業が、原発の「ある問題」を指摘。アメリカ政府に協力を求めたとCNNが報じたのです。それは、放射性物質が漏えいしているというのです。
中国南部の広東省にある台山原発。およそ60キロ先にはマカオ、135キロ先には香港が。
フランス企業は、中国当局が原発の運転停止を避けるため、周辺の放射線量の安全基準を緩和しているとも訴えていて、「原発と周辺住民にとって切迫した脅威がある」と指摘しているということです。報道を受け、日本政府は。
加藤官房長官「47都道府県に1か所ずつ放射線を計量するモニタリングポストを設置しておりますが、同ポストの計測値には変化がない。事実関係については中国側が透明性をもって、国際社会に対して説明することを期待している」
また、香港政府も。
林鄭月娥行政長官「昨夜までのところ全てが正常で、標準を満たしている」
原発を運営する中国企業も原発周辺のデータは正常の範囲内であると声明を出しています。
フランスメディアによりますと、放射性物質が漏れていると指摘したとされるフランス企業の親会社が14日、会見を行い「メルトダウンのような事故とは考えていない。規則通りの制御された排出だ」と、事故ではなく、意図的に排出したものだと説明したということです。