日米韓対北協議へ 米特別代表が韓国入り
日米韓3か国の担当高官による協議に向け、アメリカのソン・キム北朝鮮担当特別代表が19日、韓国に入りました。21日の協議では、非核化に応じる姿勢を見せていない北朝鮮への今後の対応について意見を交わす見通しです。
アメリカのソン・キム北朝鮮担当特別代表は19日午前、赴任先のインドネシアから仁川空港に到着しました。日本の船越健裕アジア大洋州局長も19日に韓国入りする予定です。
21日にはソウル市内で韓国の魯圭悳(ノ・ギュドク)朝鮮半島平和交渉本部長を交え、日米韓3か国の高官協議が行われます。韓国外務省は協議の目的について、「朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和の実質的な進展のため、どう協力するかを話し合う」と説明しています。
こうした中で、北朝鮮の金正恩総書記は、17日に行われた朝鮮労働党の会議で、今後の対米政策について「対話にも、対決にも準備する」と述べ、バイデン政権発足後、初めてアメリカとの対話の可能性にも言及しています。北朝鮮側はソン・キム氏が韓国滞在中にどのようなメッセージを発するか注視しているものとみられます。
韓国外務省の関係者はソン・キム氏が南北軍事境界線の板門店を訪問することについては、「日程調整は進んでいない」としていて、現時点ではソン・キム氏が北朝鮮側と接触するメドは立っていないものとみられます。
一方、いわゆる“元徴用工”問題や慰安婦問題をめぐり冷え込む日韓関係について、船越局長の訪韓に合わせ韓国の李相烈(イ・サンリョル)アジア太平洋局長との局長級協議が行われる可能性もあります。