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「投票制限法」めぐり米司法省が州を提訴へ

2021年6月26日 4:12

アメリカの司法省は25日、南部ジョージア州で制定されたいわゆる「投票制限法」が国の法律に違反するとして、州を提訴すると発表しました。

ガーランド司法長官「全ての人が投票できる権利は、民主主義の根幹だ。司法省はジョージア州を提訴する」

ジョージア州では今年3月、郵便投票の際の身分証明を厳格化するなどの「投票制限法」が成立しています。

ガーランド司法長官は、この法律が「人種や肌の色によって、投票権を制限する目的で作られた」と述べ、連邦政府が投票の権利について定めた法律に違反していると判断し、提訴に踏み切ったと説明しました。

ジョージア州など野党・共和党が地盤とする州では、トランプ前大統領が、大統領選挙の不正を主張したことをうけ、「投票制限法」導入の動きが進んでいます。

ガーランド長官は「他の州の法律も調査中だ」としていて、来年の中間選挙を前に、提訴の動きがほかの州にも広がる可能性もあります。

一方、ジョージア州のケンプ知事は、「バイデン政権は司法省を武器にして、選挙の完全性を損なわせようとしている」と批判しています。また、トランプ前大統領は「民主党が司法省などを政治利用すれば国を失う」との声明を出しています。