英中外相会談 王毅外相、台湾問題で英に「尊重」求める
中国の王毅外相は30日、イギリスのクレバリー外相と会談しました。会談で王毅氏は台湾問題をめぐり中国の立場を「尊重すべきだ」とクギを刺しました。
イギリスのクレバリー外相は30日から中国を訪問しています。
中国メディアによりますと、クレバリー外相と会談した王毅外相は台湾問題をめぐり「台湾独立と台湾海峡の安定は相いれない」「イギリスは中国の核心的利益をしっかり尊重し『一つの中国』という原則を厳守すべきだ」と注文をつけました。
台湾をめぐっては、アメリカに続きヨーロッパ各国も関係強化に乗り出しており、こうした動きをけん制する狙いがあります。
クレバリー外相はこれに対し、「イギリス政府は台湾問題に対する立場に変わりはなく、『一つの中国』政策を堅持している」と述べ、英中は経済や貿易の連携を緊密にし、科学技術や人工知能の分野で協力を強化すべきだと述べました。
イギリス外相が中国を訪問するのはおよそ5年ぶりで、両外相はウクライナ情勢や北朝鮮の核問題などについても意見交換しました。
イギリスの外務省によりますと、クレバリー氏はまた、新疆ウイグル自治区や香港などの人権問題や中国の悪質なサイバー活動に対するイギリスの立場を表明したということです。
イギリスは最近、中国の軍事力拡大などに懸念を強めていますが、王毅氏は英中両国が「互いの理解と信頼を進めれば、妨害や障害を排除できる」と述べ、アメリカとは距離を置き中国との関係強化に取り組むよう呼びかけました。