南シナ海巡り…王毅外相が米を念頭にけん制
中国の王毅外相は、3日、オンラインで行われたASEAN(=東南アジア諸国連合)との外相会議で、アメリカを念頭に「一部の国が南シナ海の平和と安定をかき乱している」と述べ、けん制しました。
南シナ海では、中国が強引な海洋進出を進め、フィリピンやベトナムなどと領有権を巡り争っています。緊張が続く中、中国とASEANは、南シナ海での紛争を防ぐための「行動規範」を策定する交渉を続けてきました。
中国外務省によりますと、王毅外相は会議で「行動規範」について「序文の部分で暫定的な合意に達した」と明らかにしました。中国としては、当事国同士で議論が進んでいることを強調することで、関与を強めるアメリカを遠ざけたい狙いがあります。ただ、具体的な中身については触れていません。
さらに外相は、「一部の地域外の国家が、南シナ海の平和と安定をかき乱している。南シナ海は大国が競争する場所ではないし、そうするべきではない」と述べ、アメリカを念頭にけん制しました。
写真:中国外務省HPより