ベラルーシ選手 亡命先ポーランドへ出国
帰国命令を拒否して、亡命を希望していたベラルーシ代表の陸上選手が4日朝、亡命先のポーランドに向けて出国しました。
一方、ベラルーシの独裁政権に反対する活動を続けてきた男性が、首をつった状態で見つかり、捜査当局は殺害された可能性もあるとみて調べています。
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空港に姿を見せたクリスチナ・チマノウスカヤ選手。報道陣の問いかけには無言のまま。ロイター通信などによりますと、代表コーチの不手際をSNSで発信したことが原因で、強制的に帰国を命じられたというチマノウスカヤ選手。
ベラルーシ・チマノウスカヤ選手「私は政治に関する発言はしていません。私は選手の意見を考慮せずにリレーの出場選手を決めたコーチの怠慢について発言しただけです」
人道的理由から亡命受け入れを表明しているポーランドに向けて4日、出国しました。亡命先のポーランドに到着後、支援者らと話し合い、住む場所など今後について決めるということです。
一方、帰国命令については、ヨーロッパ最後の独裁者とも言われるルカシェンコ大統領自らが指示したとの見方もあり、政権に対する懸念の声も。
チマノウスカヤ氏を支援・ベラルーシスポーツ連帯基金 オペイキン代表「彼女が初めて心配し始めたのは、国営テレビで放送された時だ。ベラルーシでは国営テレビで裏切り者と呼ばれたら監獄に行く可能性が高い」
また、ベラルーシをめぐっては、ある不穏な動きが。独裁政権に反対する活動を続けてきたビタリー・シショフ氏が3日、滞在先のウクライナで、遺体で発見されたのです。
ウクライナ当局「自殺、または自殺を装った殺人の可能性も考慮している」
「嫌な予感がする。何かあれば交際相手のことを頼む」と、シショフ氏は最近友人に対し、不安を口にしていたといいます。
一方、アメリカの国務省は、ルカシェンコ政権によって政府に批判的なジャーナリストやスポーツ選手が弾圧されていると非難しました。
世界が注目するベラルーシをめぐる動き。IOC(=国際オリンピック委員会)は、チマノウスカヤ選手の帰国命令をめぐって、関与したとみられる関係者2人から聴取を行うということです。