アフガン 国外に脱出しようと…空港に群衆
反政府勢力タリバンが制圧したアフガニスタンで、アフガニスタンから脱出しようと大勢の市民が空港につめかけました。アメリカ軍の輸送機にしがみついた人が落下するなどして、少なくとも7人が死亡しました。
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16日、首都カブールの空港。離陸体勢に入ったアメリカ軍の輸送機と並走する大勢の市民。中には、機体にしがみつく人の姿も。米軍機とともに国外に脱出しようとしているのです。そして米軍機はそのまま離陸。
AP通信によりますと、しがみついていた人が落下するなどして、少なくとも7人が死亡しました。
カブールの空港には数千人の市民が殺到、パニック状態となりました。衛星写真でも、駐機場や滑走路に人が群がっているのが確認できます。
カブール市内ではタリバンの戦闘員がライフルを手に警備。治安の悪化を受け、カブールにある日本大使館は一時閉鎖に。残っていた職員12人がドバイへの国外退避を完了させました。現地のジャーナリストは。
現地ジャーナリスト「タリバンのふりをした略奪者たちが武器を持って通りに出ている。店や市場はすべて閉鎖され、人々は安全のため家から出ようとしない。アフガンがタリバンの手に落ちたことで国際社会は去って行った。アフガンにどんな未来が待っているのか分からない」
アフガンの今後はどうなるのか。パキスタンの人権活動家、マララ・ユスフザイさんは。
人権活動家 マララ・ユスフザイさん「アフガンの現状特に女性や少女の身の安全をとても心配している」
女性の権利などを大きく制限してきたタリバンに懸念を示しました。
一方、AP通信によりますと、タリバンは17日、国営テレビで「タリバンは女性を犠牲者にしたくない」とのべ、女性に対し政府への参加を呼びかけました。
こうした中、バイデン大統領は16日、休暇を切り上げ急遽演説。
バイデン大統領「アフガン戦争を終わらせる決断を後悔していない。これはアメリカの国益にならない」
2001年のアフガン攻撃以来、アメリカ史上最長の戦争といわれてきたアメリカ軍のアフガン駐留に、終止符を打つことの正当性を強調しました。
さらに突然出国したガニ大統領やアフガン国軍の責任にも言及しました。地元メディアは、「危機に陥った責任を他人になすりつけている」「開き直った自己防衛」などと冷ややかな評価。
国民の多くは撤退を支持したものの世論調査では、今回のやり方は「支持しない」とする声が7割近くに上っています。在米のアフガニスタン人が集まるマーケットでも、アメリカの責任を強く追及する声があがっています。
在米アフガン人「バイデン大統領はアフガン人の疑問にしっかりと答えるべきだ。20年もいていったい何を達成したのか?何もしていない」「飛行機にぶら下がっている人たちを見たか?アメリカがしっかりとアフガンを助けてくれていたら、あんなことは起きなかった」
さらにホワイトハウス前では在米アフガン人ら数百人が撤退に抗議。バイデン政権への怒りをあらわにしています。20年前、自ら軍事作戦に踏み切ったアメリカ。アフガンには大きな混乱だけが残りました。