混乱のアフガン…女性人権活動家の胸の内は
アフガニスタンでは、混乱が続きます。国外に脱出しようと空港に集まる人は、先週は数千人でしたが、今は数万人になっています。その空港では、銃撃戦となり、1人が亡くなりました。
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タリバンによる首都掌握から1週間が経過し、アフガンの女性人権活動家が涙ながらに胸の内を語りました。
「顔をスカーフで覆って歩いていたら、政府の車に乗っていたタリバンの戦闘員たちを見ました。恐怖を感じて息ができませんでした」
「タリバンを信じることはできません。まるで死刑判決を受けて、いつそれに処されるのか、非常に悪い気分です」
首都カブールの空港には、国外脱出を求めて多くの人がいました。
「落ち着いて、落ち着いて」
混乱するアフガニスタンでは、23日、警備員らが武装した一団から攻撃を受け銃撃戦に。警備員1人が亡くなりました。
こうした中、アメリカの軍用機で脱出したアフガン人の女性が、機内で女の子を出産しました。
出産に立ち会った米軍の看護師
「衝撃を受けたし、少しパニック状態でした。でも私は多くの訓練を積んできたし、多くの出産にも立ち会ってきました。今回も、これまでと変わらないことだと祈りました」
女性はドイツに到着後、病院に搬送され、赤ちゃんも健康だということです。
一方、失われた命もありました。先週、離陸中の米軍機に多くの市民がしがみつきましたが、19歳のサッカーユース代表選手が落下して亡くなっていたということです。空港周辺では、この1週間で少なくとも20人が死亡しています。
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こうした中、24日、東京パラリンピックが開幕します。アフガニスタンは、参加を断念しました。テコンドーに出場予定だった選手が話したのは─。
パラリンピック・アフガニスタン代表のザキア・クダダディ選手
「困難の中で努力してきたけど、今は家から出られない状態です。パラリンピックに出たいので、私を支援して受け入れてください。助けてください」
難民選手団は23日、「アフガニスタンの人々に希望のメッセージを届けたい」と発言しました。また、開会式の旗手をアフガン出身の選手がつとめることを発表しました。
アフガニスタンの混乱は、パラリンピック選手の夢までも奪いました。
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日本政府は、23日から、現地に残る日本人らの退避のため、自衛隊の輸送機を順次、派遣していきます。
また、アメリカのバイデン大統領は、軍が支援しているアメリカ人らの避難について、軍の撤退期限である今月31日以降も続く可能性に改めて言及しました。
これに対し、タリバンの報道官は─。
タリバンの報道官
「もし、米軍が支配を続けるのであれば、何らかの行動を起こすかもしれない」
撤退期限の延長を認めない考えを示しました。
8月23日放送『news zero』より。