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トランプ氏が世界大統領?デマ拡散を分析

2021年8月31日 16:29
トランプ氏が世界大統領?デマ拡散を分析

先週、「トランプ氏が世界大統領に就任」というデマがSNSを通じて拡散しました。SNSを分析してみると、2つのアカウントが拡散に大きく関わっていたことがわかりました。


■「トランプ世界大統領就任」…SNSでデマ拡散

先週、書き込まれた「8.22トランプ世界大統領就任」というツイート。1400件以上リツイートされてツイッター上で拡散されました。

トランプ前大統領が、8月22日に“世界大統領”に就任したという事実はありませんが、ツイートには「世界大統領就任」の文言と共にトランプ氏が笑顔の写真が、アップロードされています。


■デマツイートに使われた写真は?

“世界大統領就任”のツイートと共に使われたトランプ前大統領の写真を調べてみると、プロフィール欄に前ホワイトハウススタッフと書かれたダン・スカヴィーノ氏のアカウントに同じ写真がアップされていました。写真と共に、英語で「アラバマ州にトランプ前大統領を迎えることを光栄に思う」などと書かれていて、“トランプ世界大統領就任”とは全く関係ない写真がデマツイートに転用されていることがわかります。

誤情報はどのようにSNS上で拡散したのでしょうか。


■投稿からわずか30分で360リツイート

日本テレビは、JX通信社とツイッターを分析したところ、最初の「トランプ世界大統領就任」という投稿からわずか30分で、リツイートは360件に達したことがわかりました。

分析に携わったJX通信社の細野雄紀取締役は、「当該ツイートを投稿したアカウントには、いいねやリツイートを積極的に行う、エンゲージメントが高いフォロワーが多く、投稿直後の初速の拡散力につながっている」とみています。

さらに分析したところ、デマツイートを大きく拡散させたのは2つのアカウントだということがわかりました。

投稿から28分後には10数万件のフォロワーを持つアカウントがリツイートして拡散。5時間後にはリツイートが870件近くに達しました。

投稿から6時間後には、次は数万件のフォロワーを持つアカウントがリツイート。リツイート数は再び上昇に転じ、30日現在、1400件以上リツイートされています。


■デマ情報を拡散した2つのアカウントとは?

当該ツイートを拡散した2つのアカウントを確認したところ、フォロワーはそれぞれ10数万件、数万件と多くを抱えている一方で、フォローもほぼ同数を抱えていて、いわゆる相互フォローアカウントとなっていました。

JX通信社の細野雄紀取締役は、「2つのアカウントがリツイートした後に、明らかに拡散数が増えている」とした上で、「情報の拡散に参加した人は、ちょっとした勘違いではなく、信念を持って拡散に参加しているように見える」との見方を示しました。