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習近平「共同富裕」目標へ 企業に警戒感も

2021年8月31日 20:40

中国の習近平国家主席は、国民全体が豊かになる「共同富裕」を目標に、富裕層が寄付などを通じて社会に還元するよう促す方針を示しました。所得の高い個人や企業の間では政府から負担を迫られるのではないかとの警戒感も出ています。

習主席は今月17日、経済政策を協議する中国共産党の重要会議で、「共同富裕は社会主義の本質的要求だ」と強調しました。会議では、「全面的な小康社会(ややゆとりのある社会)」を達成できたとした上で、貧富の格差をさらに是正し、国民全体が豊かになる「共同富裕」を段階的に促進するとしています。

そのなかで、「高すぎる収入を合理的に調節し、高収入の個人や企業がさらに多く社会に還元することを奨励する」としていて、富裕層からの寄付などを通じた所得の再分配を促す方針を示しています。

所得の高い個人や企業の間では、政府から負担を迫られるのではないかとの警戒感も出るなか、IT大手テンセントは会議の翌日に、「共同富裕のためおよそ8500億円を投じる」との計画を発表しました。

去年以降、習指導部によるIT大手への締め付けが強まっていることから、さらなる圧力を避けるため先手を打った可能性もあります。