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“テキサス中絶禁止法”差し止め求め提訴

2021年9月10日 10:42

アメリカのバイデン政権は9日、南部テキサス州で発効した、人工妊娠中絶をほぼ全面的に禁止する法律は違憲だとして、差し止めなどを求めて州を提訴しました。

ガーランド司法長官「この州法は、長年最高裁が維持している判例に基づいても明らかに違憲だ」

テキサス州では今月1日、胎児の心拍が確認されたあとの人工妊娠中絶を禁止する法律が発効しました。これは女性がまだ妊娠に気づいていない場合が多い妊娠6週目ごろにあたり、ガーランド司法長官は、「性的暴行を受けた場合の妊娠も含め、ほぼ全面的に中絶を禁止している」と批判しています。

その上で、ガーランド長官は、州内の医療機関ですでに中絶措置を取りやめる動きが起きていて、「女性の憲法上の権利が妨げられている」と指摘しています。

アメリカでは野党・共和党系の議員が議会の多数を占める州などで中絶の規制を強化する動きが広がっていて、ガーランド長官は、ほかの州政府を提訴する可能性にも言及しました。

司法省の提訴を受けて、テキサス州のアボット知事は声明で、「命そのものこそが、最も貴い自由だ」などと反発しています。