キーウ周辺に2日連続で攻撃 ウクライナ側警戒
ロシア国防省は16日、ウクライナの首都キーウにある軍事関連施設への攻撃を行ったと発表しました。キーウ周辺への攻撃は2日連続となり、ウクライナ側が警戒を強めています。
ロシア国防省は16日、精密誘導ミサイルを使い、キーウにある装甲車の工場などを破壊したと発表しました。キーウ市長は16日朝のミサイル攻撃により1人が死亡、数人が負傷したと明らかにしています。
ロシア国防省は「ウクライナがロシア領内を攻撃すれば、それに応じてキーウへの攻撃が増える」と警告していて、15日にもキーウ郊外にあるウクライナ軍のミサイル製造・修理工場を破壊したとしていました。
ウクライナは14日、黒海に展開していたロシアの巡洋艦「モスクワ」をミサイル攻撃したと発表、「モスクワ」は沈没し、軍事的に打撃を受けたロシアが、報復のためにキーウ周辺をミサイル攻撃の目標に定めている可能性があります。
一方、ウクライナ北東部にある第二の都市ハルキウでは15日、住宅地への砲撃があり、AP通信によりますと、7か月の乳児を含む少なくとも10人が死亡、35人がケガをしました。
母親「娘のすぐそばで爆発が起きました」
娘「すぐ近くで爆発があって。逃げたらまた近くで爆発して、破片が飛んできました。そうしたら女の人が全身で私をかばってくれて…」
母親「大丈夫、泣かないで。もう終わったことよ」
ハルキウ州の知事によりますと、16日もロシアによるミサイル攻撃があり、1人が死亡、18人が負傷したということです。
また、ロシア軍が包囲する南東部の都市マリウポリについて、ウクライナ国防省は15日、ロシア軍が侵攻開始以来、初めて、長距離爆撃機を使って攻撃したと発表しました。爆撃により、民間人の犠牲がいっそう増える心配があります。
さらに、街の産業の中心である製鉄所の周辺でも戦闘が続いているとみられますが、ウクライナ国防省は「ロシア軍は街を完全には掌握できていない」と述べるなど、ウクライナ側の激しい抵抗が続いています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は15日、アメリカのCNNに対して、「ロシアとの戦争で、これまでにウクライナ兵2500人から3000人が死亡し、1万人が負傷した」と述べました。