カフェの壁から“モフモフの手”特別な理由
中国の上海で、ちょっと変わったスタイルの「カフェ」が人気です。独特のスタイルにしたのは、ある特別な理由がありました。
中国の上海には、一風変わった人気店があります。
長谷川敬典記者
「コンクリートの壁に、穴が一つだけ開いているようなお店。あれが今、上海でとても人気がある所なんですね」
店に看板はなく、コンクリートの壁に穴が開いただけ。一体何が起きるのか?様子を見ていると…。
長谷川敬典記者
「あっ!何か手が出てきましたね。モフモフの手がコーヒーを持っていますね。穴からコーヒーを渡してくれるんですね」
実は、熊のような手でコーヒーを渡す、ちょっと変わったスタイルの「カフェ」なのです。
モフモフの手がかわいい!とSNSで大人気に。オープン当初は人気のあまり、コーヒーを受け取るまで数時間待ちという大行列になったそうです。注文するには、商品の選択から決済まで、全てスマホで行います。
「スマホで注文」と「モフモフの手」。この独特のスタイルの背景には、特別な理由があります。
実は、穴の向こう側で働いている店員の約6割は、耳が不自由な人。「客との会話ができなくても、楽しく働ける場所を作りたい」という、オーナーの思いで生まれたカフェだったのです。
耳の不自由な店員
「このカフェで働く前は、仕事探しがなかなかうまくいきませんでした。今はこのような話題の店で働けて、自分の力で生きていけるのは本当にうれしいです」
独自のスタイルで、障害者が働くチャンスを広げようとする“熊の手カフェ”。現在、中国国内で6店舗を運営。耳の不自由な店員17人が働いています。