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アフガンから増え続ける難民…荒野で野宿も

2021年10月29日 18:40

イスラム主義勢力タリバンの支配を恐れ、今、多くの人がアフガニスタンから周辺の国に逃げ出しています。そうした国のひとつ、トルコでは、難民となった人たちが、極めて過酷な状況に置かれていることが分かりました。




私たちが訪れたのは、トルコとイランの国境近くの街。住宅街の一角に集まっていたのは、警察の特殊部隊です。装甲車両も待機し、ものものしい雰囲気の中、突然始まった家宅捜索。

記者「いま中に入っていきます。全員銃を構えています」

暗い部屋の中で息を潜めていたのは、およそ30人のアフガニスタン人です。全員、不法入国の疑いで連行されていきました。

実は今、イスラム主義勢力タリバンの迫害を恐れ、アフガニスタンからトルコに逃れる人が増えているのです。

アフガンの人たちは安全な暮らしを求め、隣国イランを経由してトルコに入り、その後、最大の都市イスタンブールやヨーロッパを目指します。

私たちは、移民が押し寄せるというイランとの国境に向かいました。

国境にそびえ立つ壁。トルコ当局がアフガン難民などの流入を防ぐために建設し、取り締まりを強化しているのです。

今年8月に、タリバンが実権を掌握して以降、アフガン国外に脱出する人は増え続けていて、国連はその人数について、今年末までで、最大50万人に達すると予測しています。

トルコに逃れてきた人々はどんな生活を送っているのでしょうか。暮らしぶりを見せてくれるというアフガン難民の男性と出会いました。

案内に従って進んだ先は人気のない真っ暗な荒野。

記者「10人ほどいますね。子供の姿も見えます」

パスポートも持たない不法入国のため、トルコ当局の目を逃れるには、野宿するしかないのだといいます。

アフガン難民「(タリバンの支配が始まって)経済がひどく悪化した上に、自由に外を歩けないような治安状況でした。教育を受けることもできなくなり、生活が困難になったのです」

先の見えない生活。夜になると、気温が氷点下になる過酷な環境で、すでに1か月もこの生活が続いています。

アフガン難民「水もなく食べ物もない、そしてとても寒いです」

こうした過酷な環境の中、命を落とす難民も少なくありません。その多くは、名前や年齢も分からないまま埋葬されるといいます。

仮に生き延びてもトルコ当局に見つかれば、一時的に施設に収容されますが、いずれはアフガンに送還される可能性もあるのです。

アフガン難民「ここ(トルコ)まで来たが、今後どうなるか分からない」

難民問題は、30日から始まるG20サミットの中でも対策が話し合われる見通しです。

厳しい冬の到来で犠牲者が増える前に各国の対応が問われます。