マスク氏に飢餓支援要請 なぜ60億ドル?
国連WFP(=世界食糧計画)の事務局長が、飢餓に苦しむ人を助けるため、アメリカの電気自動車大手テスラのイーロン・マスクCEOに60億ドルの支援を呼びかけています。WFP日本事務所の代表に「なぜ60億ドルなのか」、そのワケを聞きました。
◇◇◇◇◇
飢餓問題への60億ドルの支援をめぐって、テスラのイーロン・マスクCEOとWFPのデイビッド・ビーズリー事務局長のTwitterのやり取りが注目されています。
CNNによりますと、ビーズリー事務局長は先月放送されたCNNの番組で、テスラのイーロン・マスクCEOの純資産のおよそ2%にあたる60億ドルの資金があれば、「手を差し伸べなければ死んでしまう」4200万人を救うことができると訴えたということです。
これに対しマスク氏は、「60億ドルでどうやって世界の飢餓を解決できるのか、WFPがこのTwitterのスレッドで正確に説明できるのであれば、今すぐにテスラ株を売却して協力しましょう」とTwitterで応じました。
◇◇◇◇◇
飢餓問題への60億ドルの寄付について、WFP日本事務所の焼家直絵代表に話を聞いてみました。
焼家直絵代表「平均として1日1食、食事を届けるために必要な資金として、約43セントが必要となっていて、この43セントと365日で4200万人を掛け合わせると、66億ドルが必要となります」
60億ドルの使い道は、飢餓に苦しむ人の中で「手を差し伸べなければ死んでしまう」4200万人に対して1年間、1日50円ほどの支援をすることだといいます。
焼家直絵代表「今回、特に富裕層に呼びかけたというのがですね、なかなかコロナ禍で支援ニーズがすごく拡大しているということが特に背景にあります」
コロナの影響で、深刻な飢餓に苦しむ人の数はコロナ前の1億4900万人から2億8000万人に倍増することが見込まれているといいます。現時点で、マスク氏からの協力への表明はないということですが、今後の進展を見守りたいとしています。