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毎日野菜を食べない子どもが半数近く…アメリカの学校給食は?

2023年5月6日 12:11
毎日野菜を食べない子どもが半数近く…アメリカの学校給食は?

アメリカで野菜を食べない子どもに関する驚くべきデータが公開された。ことし2月に発表された調査結果によると、1歳から5歳の子どものうち、毎日野菜を食べない子どもの割合が49.1%とおよそ半数を占めるという。

■アメリカでは毎日野菜を食べない子どもが半数近く

アメリカで野菜を食べない子どもに関する驚くべきデータが公開された。ことし2月に発表された調査結果によると、1歳から5歳の子どものうち、毎日野菜を食べない子どもの割合が49.1%とおよそ半数を占めるという。地域によって大きな差があるのも特徴で、北東部のバーモント州が30.4%なのに対し、南部のルイジアナ州は64.3%とおよそ30ポイントも上回る結果となった。

また1日に1回以上、砂糖入り飲料を飲む子どもは57.1%にのぼり、アメリカの子どもの多くが、野菜や果物を毎日食べず、砂糖入りの飲料を毎日飲んでいることになる。

学齢期の子どもたちの7~8割が、1日に推奨される量の上限を超える砂糖を摂取しているというデータもあり、2歳から9歳までの肥満率は1970年代には5%台だったのが、2020年には19.7%にまで上昇。アメリカの子どもの5人に1人が肥満とされている。黒人・ヒスパニック、低所得者層に限ると、肥満率はさらに上がり、アメリカで肥満は貧困・人種問題に結びついた社会問題となっている。

調査チームは、野菜や果物が豊富な食事は、子どもの最適な成長と発達のために不可欠で、加糖飲料は肥満、虫歯、糖尿病や心血管疾患リスクと関連していると警鐘をならし、子どもに栄養価のある食事を提供することが大切だとしている。

■給食の“野菜”はハッシュブラウン…生野菜は追加料金で

バイデン政権は、子どもたちの健康問題や貧困問題を解決すべく、2032年までに学校給食の無料化を900万人以上の子どもたちに広げようとしている。

ことし2月には、農務省が新たな給食メニュー基準案を発表した。2025年の秋学期から、シリアル、ヨーグルト、ミルクなどに含まれる砂糖を段階的に減らしていくとした。さらに塩分(ナトリウム)も3年度に分けて、10%ずつ減らすとしていて、学校給食をより健康的なものにしようという意図がうかがえる。

■国より進んでいる自治体では「ヴィーガンメニューも」

ニューヨークやボストンなどではすでに給食は無料化されていて、ニューヨークの公立小学校では2022年から、肉や魚、卵、乳製品を使わない「ヴィーガンメニュー」の提供が始まっている。(牛乳はオプション)毎週金曜日には、ひよこ豆のサラダや野菜のタコスなど野菜を中心としたメニューが提供され、自身もヴィーガンであるアダムズ市長は「健康的な食事は生活の質を向上させる」としている。

学校給食の質の向上が、子どもの肥満や貧困問題の解決につながるのか。アメリカの給食事情を知ると、日本の子どもたちが当たり前のように食べている安価でバランスのとれた給食もまた違って見えてくる。