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接種義務化めぐり対立…“反対”の教授解雇

2021年12月18日 7:18

新型コロナウイルスのワクチン接種率が伸び悩むオーストリアでは、来年2月から接種を義務化する予定ですが、地元医師会や医療関係者の間などで接種の是非について対立が深まっています。

15日、オーストリアで最も権威があるとされるウィーン医科大学の教授が解雇されました。教授はワクチン接種に反対の立場で、健康に問題を抱える高齢者以外は、新型コロナウイルスに感染しても重症化のリスクは少ないと主張、自らも接種をしておらず、国内の反ワクチン勢力と連携するなどしていました。数日前には、ワクチン接種の促進を求めたオーストリア医師会の会長に対して、200人の医師の署名を集めた上で反論を公表し、会長の辞任を求めています。

大学側はこれまで教授とは「距離をおく」立場を示してきましたが、医師会の方針と真っ向から対立した教授の姿勢は大学の医局の方針にもそぐわなくなり、ワクチン接種証明書や陰性証明書を提示することを義務付けた大学のガイドラインに教授が違反したとして解雇したものです。

さらに医師会はこの解雇された教授をはじめ、医師会の要請に応じないと反論広告に署名した医師について懲戒処分を検討するとしています。

医療関係者の間での対立や医師会内での締め付けは、ワクチン接種の義務化をめぐる国内の対立に火を注ぐもので、反対デモが激しくなる事態も心配されています。