市内を視察の上海市トップに市民が“不満”訴え…
“ロックダウン”が続く中国・上海市。SNSに投稿されたのは、市内を視察する、習近平国家主席の“側近”とされる市のトップ、李強氏に不満を訴える上海市民の姿でした。
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新型コロナウイルスの感染拡大が続く中国・上海。12日の市内の新規感染者は2万6330人で、過去最多を更新しました。
11日、市トップの李強氏がロックダウン中の上海市内を視察しました。
習近平国家主席の"側近"とされ、次の首相候補にも名前があがる"重鎮"で、中国メディアは李強氏が「市民の支持に感謝を示した」などと伝えました。
ところが、中国のSNSに投稿された映像では、上海市民が不満を訴えていました。
「野菜は横領され、私たちの所に届いていない状況があるんだ!」
市民が李強氏に詰め寄っているように見えます。
「指導者がやっと来てくれたから、今の現実を直接伝えないと」
中国メディアはこうした様子を伝えることはありませんが、上海の混乱が今後、習近平政権の人事に影響を与える可能性もあります。
過去14日以内に感染者がいない一部の地区では封鎖措置が解除されたものの、依然として広範囲で厳しい外出制限が続く上海。
SNSには、団地の入り口で白い防護服を着た多数の警察官が、封鎖の解除を求める住民と対峙する様子が投稿されていました。
この団地は、封鎖してからの2週間、1度も政府から食料の配布がないまま、封鎖延長が決まったことから不満が爆発しました。
「私たちの住宅に陽性の人はいません!」
住民によりますと、その後、地元当局が物資の配給を約束したことから、衝突には発展せず、解散したということです。
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こうした中、アメリカ国務省は11日、上海にある総領事館の政府職員やその家族に対し、緊急の業務がない場合は上海から退避するよう命じました。
これに対し中国外務省の報道官は、アメリカ側に厳正に抗議したと明らかにしました。
中国外務省 趙立堅報道官
「我々は、アメリカが人員の退避問題を政治化し、道具化することに対して、強い不満と断固とした反対を表明する」