“ロックダウン”の街の至る所に“大行列” 中国・上海
事実上のロックダウンが続く中国・上海では、昼夜を問わず行列ができています。全市民を対象に何度もPCR検査が行われているのです。
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ほぼ全域での“ロックダウン”が始まり、11日目となった中国・上海。
9日に実施されていたのは、全上海市民、およそ2600万人を対象にした、さらなるPCR検査です。
記者
「PCR検査に向かう人が続々とマンションから出てきていますね」
昼も夜も毎日、街の至る所には、検査を待つ人たちの長い列ができていました。ロックダウンにより、厳しい外出制限が続いていますが、PCR検査を受ける時だけは、屋外に出ることが許されています。
記者
「かなり“密”な状態になっています」
何度も行われる大規模な検査を巡っては、SNSで「PCR検査場でウイルスを家に持ち帰り、感染を広げているのではないか」「なぜ長期間封鎖しているのに感染が収束しないのか。方法を変更できないのか?」といった声が上がっています。
厳しい外出制限に、こんな人たちも…
記者
「封鎖期間が長くなっていますので、息抜きでしょうか。屋上でバドミントンをしていますね」
10日に上海で新たに確認された感染者は2万6087人。“ロックダウン”を続けているにもかかわらず、10日連続で過去最多を更新しています。
9日、上海市当局は、初期に感染者が多かった地区の幹部に対し、「ウイルスの拡散を効果的に抑えこむことができなかった」として、免職処分にしました。「感染対策の怠慢」などを理由に、3日間で8人の地区の責任者が処分されました。
上海では食料の配送が滞り、「ゼロコロナ政策」に対する市民の不満が高まっていて、各地の責任者を処分することで批判をかわす狙いもあるとみられています。
そして、上海市は11日、過去14日間に感染者が確認されなかった7565の地区では、条件付きで外出を認めると発表しました。ただ、1万以上の地区では封鎖が継続され、全面的な解除には時間がかかるとみられます。