“ITに強い”ウクライナ 企業が避難民に仕事支援 オンラインでウェブ制作依頼
ウクライナ侵攻の影響は日本の企業にも出ています。東京・港区にあるロシアへの中古車販売を行っている会社では、ロシアの通貨ルーブルの暴落により、約1億円の入金が滞っているといいます。一方、新たな形の支援も始まっています。避難したウクライナ人に、オンラインで仕事の依頼をする企業が増えてきました。
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ウクライナ侵攻の影響を受け、ロシアに振り回される日本の企業もでてきています。
千葉・木更津市にある駐車場には、たくさんの車が並んでいます。日本はこれまで、ロシアに多くの中古車を輸出してきました。
東京・港区にある中古車販売会社、株式会社ビィ・フォアードでは、ロシアへの輸出に、去年秋ごろから力を入れ始めていました。
軍事侵攻が始まる直前にも、ロシアのディーラーから注文があり、準備した車の入金を確認次第、船で届ける予定でした。しかし――
ビィ・フォアード セールスマーケティング部 ルスタモフ・サンジャールさん
「220台くらいの車、入金されてない。待っている状態」
ロシア向けの販売リストに並ぶ0の数字。約1億円の入金が滞っているといいます。その理由は――
サンジャールさん
「ルーブルが弱くなって」
欧米による経済制裁などにより、ロシアの通貨ルーブルが暴落。ロシアのディーラーと販売価格の折り合いがつかず、ここ1か月ほど、中古車の在庫を抱え続けているといいます。
このまま入金がない場合はキャンセルとなり、ロシア以外の輸出先を探すということです。
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一方、新たな形の支援も始まっています。
「Nice to meet you」
オンラインで会話していたのは、ウクライナの首都キエフからリビウに避難しているという男性です。日本の企業から仕事の依頼を受けていたのです。その仕事は、ウェブサイト制作です。
日本企業
「ウェブサイト作りを手伝ってほしいです」
ウクライナのエンジニア イェジョヴさん
「もちろん、喜んでやらせていただきます」
日本のベンチャー企業が、避難を余儀なくされ、仕事を失ったウクライナ人に、パソコンとネット環境があればできる仕事を紹介する取り組みを始めました。
イェジョヴさん
「貯金もいつまで持つかわかりません。この状況で、ウクライナ国内でよい仕事を探すのは難しいです。だから、オンラインの仕事をもらえるのは本当にありがたい」
実は、“東欧のシリコンバレー”と呼ばれるなど、ITに強いというウクライナ。
ウクライナ人に仕事の支援を行う ネクストエージ 中井咲希副社長
「『自分の力で生きていくために、仕事を見つけることが重要だ』と考えておられる方もいて、ひとりひとりに寄り添っていきたい」
仕事の依頼をする企業も徐々に増えていて、今後もウクライナの支援に力を入れていきたいと話しています。