【解説】プーチン大統領は“止まる”? ロシア国内で動員反発 専門家「もはやロシアは終わりにしか…」
プーチン大統領が出した30万人を招集する動員令に反対するため、ロシアの各地で激しいデモが広がっています。ロシアの下院では、動員を拒否した場合「最悪15年の禁錮刑に処する」という罰則まで…。果たして国民の反発などで、プーチン大統領を止めることはできるのか。
■「動員拒否で最悪、禁錮刑」罰則も
有働由美子キャスター
「30万人の動員命令を受けてロシア国民の反発も、激しくなっているようですが、プーチン大統領、かなり厳しい状況に追い込まれているのでは?」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「ロシア政治に詳しい廣瀬陽子教授は、『プーチン大統領は、相当追い詰められている』と見ています」
「というのも、これまでは“戦争”ではなく、“特別軍事作戦”と位置づけて、『一般人の動員はしない』と話していたんです。たとえ部分的とはいえ“動員”ということになれば、『国民にとっては赤紙と同じ意味で、結局“戦争”だったのかと認識している。そこに明確な説明を、プーチン大統領は出来ていない 』と廣瀬教授は指摘しています」
有働キャスター
「実際、国民はみんな招集に応じるんでしょうか?」
小栗委員
「廣瀬教授によると、ロシアの下院は20日の時点で、『動員を拒否した場合、最悪15年の禁錮刑に処する』という罰則まで作ったそうなんです」
「ただ、30万人と言えば、予備役の7人に1人という相当な確率で、『みんな“いつ自分に赤紙が来るかと、不安に思っていて、なんとかして招集を避けようとするだろう”。そもそも招集に応じたとしても、訓練も充分ではなく、まともに戦うのは無理で、人間の盾のように使われるのでは』ということなんです」
■「もはやロシアは終わりにしか向かっていない」
有働キャスター
「廣瀨さん、なんのために戦うのか…。逃げ出したくなる気持ちというのも、分かるような気がしますけど…」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「“動員”となったことでロシアの人たちも、よりリアルに感じたり、じぶんごとになっているように感じましたね。抗議の声もありましたけど、この声を聞いて、少しでも変わっていくといいなと思いますけど」
有働キャスター
「国民の反発などで、プーチン大統領を止めることは出来るんでしょうか?」
小栗委員
「廣瀬教授は、『プーチン大統領は完全に意地になっているので、 残念ながら止めるのは難しい』。廣瀬教授も、色々なシナリオを検討したそうですが、『もはやロシアは終わりにしか向かっていない。プーチン大統領が終わるのは、総動員や核の使用といった、最後の局面だけ。かなり末期だ』と分析しています」
有働キャスター
「ロシア国民にも、この戦いが悲惨な“戦争”なんだという真実が伝わり始めているということですし、プーチン大統領の選択肢は、この戦争をやめてウクライナから手を引くしかない、と思うんですが」
(9月22日『news zero』より)