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北朝鮮・金正恩氏 80階高層住宅を視察 米軍は空母演習で牽制

2022年3月16日 13:58
北朝鮮・金正恩氏 80階高層住宅を視察 米軍は空母演習で牽制

ミサイル発射を続ける中、北朝鮮の金正恩総書記は平壌に新たに作られた80階建ての超高層住宅などを視察し、市民生活の向上をアピールしました。一方、アメリカ軍は朝鮮半島近海で空母艦載機による演習を行うなど北朝鮮への牽制を強めています。

16日付けの朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、金正恩総書記が平壌で完成間近の1万世帯の住宅建設現場を視察したと報じました。80階建ての超高層住宅をはじめ、医療・教育関係の施設などが備わっているということです。

金総書記は「我々の建築が一段階発展の道を進んだ」と喜び、「太陽節(故・金日成主席の誕生日)までに、人民が新居に入れるよう完璧に仕上げるように」と述べたということです。

4月15日の金日成主席の生誕110年に合わせて市民生活の向上をアピールし、国威発揚をはかる狙いがあるものとみられます。

一方、北朝鮮ではICBM(大陸間弾道ミサイル)発射や、核施設を復旧する動きが活発化しています。

これに対し、16日午前には弾道ミサイルの観測能力を持つアメリカ空軍の偵察機「コブラボール」などが、沖縄の嘉手納基地を相次いで離陸する様子が確認されました。北朝鮮への監視を強化しているものとみられます。

また、アメリカの第7艦隊は15日、朝鮮半島に近い黄海で、空母「エイブラハム・リンカーン」に搭載する最新鋭ステルス艦載機などによる演習を行ったと発表しました。

第7艦隊は声明で北朝鮮のICBM発射は「近隣諸国と同盟国の脅威になっている」と指摘。その上で、演習は「同盟国に対する我々の決意と関与を示すため」だと強調し、北朝鮮を牽制しています。

こうした中、韓国軍は北朝鮮が16日午前9時半頃平壌の順安(スナン)一帯から未詳の飛翔体を発射したものの、発射直後に失敗したと推定されると発表。軍関係者は、発射後に「高度を上げられなかった」との見方を示し、追加の発射があるか動向を追跡中だとしています。