空爆続く「ガザ地区」子どもたちの被害拡大 即時停戦を…抗議はアメリカ議員会館でも 世界の分断進む
イスラエルとイスラム組織「ハマス」の衝突で、ガザ地区では20日も空爆により子どもたちが被害を受けました。罪のない人たちが悲鳴を上げ続ける現状に、各地で即時停戦を求める抗議活動が拡大。衝突を機に、世界の分断が進んでいます。
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日を追うごとに、日常が失われている街。19日も空爆が人々を襲い、子どもたちも搬送されました。ガザ地区に住む人たちは、今この時も、命の危機にさらされています。
17日、ガザ地区の病院が被害を受けました。その直後、負傷者を近くの別の病院に搬送する様子が撮影されました。
運ばれてきたのは、小学生くらいの子どもで、意識はあるようです。
「座って、後ろに下がって」
「背中が痛いの? おなかが痛いの?」
その後も、次々と子どもたちが運ばれてきます。
「ママ来てーー。ママーママー」
「離れて! 離れて! 医者はどこだ、どこだ」
まだ小さな子どももいました。
「ほこりを拭いてあげよう、よしよし」
顔を水で洗われると、少しだけ穏やかな表情を浮かべました。
衝突が始まって約2週間。ガザ地区で治療にあたる医師は「私がみてきた全てのケースの40%は子どもたちであり、その多くはこのような状態で片方か両方の親を失っている」と話します。
多くの子どもたちが巻き込まれている現実。水や食料を手にすることも、ままならない状況です。
ガザ地区南部とエジプトの間にあるラファ検問所。その門の前には、支援物資を乗せた多くのトラックが今も行列を作っています。
待機しているNGO関係者(18日)
「支援物資を運ぶトラックは120台ほどあります。攻撃がやんだら、すぐに中に入れるよう待っているところです。食料や水の支援を認めないのは戦争犯罪です」
これまで封鎖が続いてきましたが、18日、アメリカのバイデン大統領は「ラファ検問所を開けて、20台のトラックを通行させることに合意した」と述べました。
エジプトのシシ大統領と話し、最大20台まで検問所の通過を認めるということで合意しました。イスラエル側も、支援物資がハマス側に渡らないことを条件に同意しています。
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これまでの双方の犠牲者数は4800人以上に上ります。罪のない人たちが悲鳴を上げ続ける現状に、抗議の声が世界各地で広がっています。
アメリカの議員会館でも、多くの人が床に座りこみ、即時停戦を求めていました。
記者
「“ガザの人たちを生かせ”と大きな声を上げています。いや、すごい、すごい拍手が響いています」
警察に連行されそうになる人たちもいました。
記者
「それでも、『LET GAZA LIVE(ガザの人たちを生かせ)』と大きな声が上がっています」
ヨーロッパでも、オランダやイギリスなどで抗議活動が行われています。ギリシャでは、パレスチナを支持する団体と警察が衝突する事態に発展しました。
イスラエルへの抗議活動が特に高まっているのが、中東各地です。トルコやイランでは、イスラエルを支持するアメリカに対しても抗議の声が上がっています。
抗議活動の参加者(トルコ18日)
「殺人者イスラエル! 殺人者バイデン!」
衝突を機に世界の分断が進んでいます。
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一方、日本政府は、周辺国に派遣していた自衛隊機でイスラエルに滞在する日本人を帰国させるため、20日にも現地を出発する方向で調整しているということです。