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ガザ地区の病院で“爆発”「空爆か誤射か」…イスラエル“証拠映像”次々と公開

2023年10月19日 1:37

17日、ガザ地区の病院で激しい“爆発”があり、イスラム組織「ハマス」は500人以上が犠牲になったと主張しています。イスラエル側もハマス側も、双方がこの“爆発”への関与を否定していますが、激しい爆発を捉えた映像の分析から浮かんできた可能性とは?

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「なんてことだ!」

17日、イスラム組織ハマスの拠点、ガザ地区に激しい爆発音が響きました。
燃えていたのは、北部にある病院です。
他の映像ではガレキが散乱し、被害の大きさがうかがえます。
“爆発”があった病院では、暗闇の中、懐中電灯を手に、遺体の搬送が行われていました。

けが人は、別の病院に運び込まれ、院内は大混乱に。泣いている子どもの姿もありました。

医療従事者
「パパはどこ? あなたは、どこから来たの?」

ベッドが足りないのか、多くのけが人が地べたに横たわっていました。

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この“爆発”を巡る、ハマスとイスラエル軍の主張は、真っ向から対立しています。

「ハマス」は、“爆発”はイスラエル軍の空爆によるもので、これまでに500人以上が死亡したと発表しました。

これに対し、イスラエル軍は、ガザ地区の過激派「イスラム聖戦」のロケット弾が誤って病院に直撃したものだとして、関与を否定したのです。その証拠として、イスラエル軍は、“爆発”の原因となったとするロケット弾の映像を公開しました。
暗闇の中を飛ぶ光が…“爆発”した直後、地上で大きな炎が上がります。

さらに“ハマス側の会話”だとする音声も公開しました。

A氏「パレスチナのジハード組織から来たミサイルらしい」
B氏「なんだって? 我々のものなのか?」
A氏「ミサイルの破片が我々のもので、イスラエルのものとは違う」

イスラエル軍が傍受した音声だといいますが、本物かどうかはわかっていません。
他にも、イスラエル軍は調査結果として、複数の根拠を示しています。

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ガザ地区の病院“爆発”が、ハマス側のロケット弾だった可能性について、映像を見た専門家は、ハマス側の兵器は粗悪で、誤爆はあり得るといいます。

防衛省防衛研究所 西野正巳 主任研究官
「(軌道が)ここから、おかしくなります。ここくらいから、本来、想定されていたものではない形に」
「あり得るとしたら、ロケット弾の後方部分の推進させる燃料に…何らかの異常が生じた」

一方で、一夜明けた現場を見ると――

防衛省防衛研究所 西野正巳 主任研究官
「病院の外に1発着弾して、この火災が起きたんだとしたら、ハマス イスラム聖戦のロケット弾に、そんな力ないんじゃないかなと」
「直撃せず、いくつもの車を燃やすような、そんな破壊力はないので…」

ハマス側の兵器に、一度にこれだけ大勢を殺傷できる能力は携えておらず、イスラエル側の攻撃だった可能性も捨てきれないとしています。

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そしてつい先ほど、イスラエルの大手放送局は、病院の“爆発”の瞬間を捉えたとする情報カメラの映像を公開しました。

映像は、イスラエル側からガザ地区北部を撮影したもので、病院のすぐ近くからロケット弾が連続して発射され、その直後に、病院で“爆発”が起きたとしています。


(10月18日放送『news zero』より)