ロシア国内で“静かなデモ” お札・小銭などに「戦争反対」と落書き
ロシア国営テレビは、「必ず勝つ」など、ウクライナで戦う兵士らの強気な声を伝えています。しかし、一方、壁やお札、小銭に「戦争反対」などの落書きをする、“静かなデモ”もロシアで広がっているといいます。
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ウクライナ・ルハンシク州の「親ロシア派」が公開した映像には、「ビクトリーシスターズ」と名付けられた、親ロシア派の兵士の妻らで構成されたグループが、ロシアをたたえる歌を歌う姿が映っていました。
「親愛なるロシアに栄光あれ、英雄たちを永遠に記憶せよ。神聖な土地、勝利の5月、ロシア」
ウクライナ侵攻を支持する象徴の、「Z」の文字を表すシーンなど、ロシアの正当性をアピールしていました。
さらに20日、ウクライナ・マリウポリの学校では、ロシア語での授業が行われていました。
先生
「右手、左手まっすぐに」
教室に張られたポスターには、「祖国のために!ロシアのために!」と書かれています。
親ロシア派が支配する地域では、“ロシア化教育”が進められていました。
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約1か月の間、ロシア軍に占拠されていた、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊のアンドリーウカ村では、ロシア兵は村に多くある地下室で、昼間に睡眠をとっていました。住民は、ロシア兵がもらした“ある不満”を聞いたといいます。
ロシア兵と話した村民
「彼らは演習目的でベラルーシに連れてこられ、『ある夜、いきなりウクライナに連れてこられた。だまされた』と言っていた」
ロシア兵と話した村民
「(ロシア兵は)『戦争をしたくなかった。人を殺したくない』って(言っていた)」
「だまされて連れてこられ、戦闘をためらっていた兵士がいた」というのです。
その一方で、ロシア国営テレビには、対照的な兵士たちの姿がありました。
ロシア軍の兵士
「我々はずっと、戦いの訓練をしてきました。(敵に)実力を見せつけてやりますよ」
「息子、娘たち、我々は元気です。必ず勝つからね」
ウクライナで戦う兵士らの強気な声を伝えていました。
こうした放送についてロシアに家族がいる在日ロシア人YouTuberは――
在日ロシア人ユーチューバー あしやさん(31)
「プロパガンダ一色といいますか、若い人たちはSNSとかで情報を得て信じないんですけど、年配の方ですと、プロパガンダ信じてる人も多いみたいですね」
反戦デモを厳しく取り締まるロシア。こうした中――
あしやさん
「“静かなデモ”みたいな形で、今はそういう活動も広がっています」
ロシア国内の写真に写った壁に書かれていたのは、「戦争反対!」「ウクライナに平和を!」といった文字です。
あしやさん
「お金、お札とか小銭にも、戦争反対の落書きをして、それで支払って、不特定多数の人たちのもとに届いて、『もしかしたら、誰かがそれを見て目覚めるんじゃないかな』とか、そういう希望も込めて(広がっている)。『こんなに周りにも戦争反対の人がたくさんいますよ』っていう認識にもつながります」
(『news zero』より)