戦勝記念日を機に“ロシア軍の大規模な増派は確認されておらず、兆候もない”~米国防総省高官
ロシアのプーチン大統領は9日、第二次世界大戦の戦勝記念日の演説で、軍事侵攻の正当性を改めて主張し、欧米各国からは「歴史を曲解している」などと批判の声が上がっています。
プーチン大統領は9日、「NATOがロシアに隣接する土地に軍を配備し始め、日々危険度が増していた」と述べ、やむを得ない判断だったとして、軍事侵攻の正当性を改めて主張しました。一方で、具体的な戦果などには言及しませんでした。
◇
この発言に対し、欧米各国からは批判の声が上がっています。
アメリカ・サキ大統領報道官「プーチン大統領は歴史を曲解し、修正しようとしている。不当な戦争を正当化するためだと言わざるを得ない」
また、フランスのマクロン大統領はパレードについて、「力の誇示、威嚇のためのもので、好戦的な姿勢を示していた」と述べたほか、イギリスの国防相は「プーチン大統領らに、ウクライナでの戦勝記念日はやってこない。あるのは敗北と不名誉だけだ」と批判しました。
一方、ポーランドでは、第二次世界大戦終結77周年の式典に出席したロシアの大使が、デモ隊から赤いペンキをかけられるひと幕がありました。
ロシア外務省はポーランドに対し、適切な措置をとるよう強く抗議したということです。
◇
こうした中、ウクライナでは、東部を中心にロシア軍による攻撃が続いています。
ウクライナ国防省の報道官は9日、南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所に対し、ロシア軍が強行突入を続けていると述べました。
一方、アメリカ国防総省の高官は9日、戦勝記念日を機に、ロシア軍の大規模な増派は確認されておらず、兆候もない、としています。