“ゼロコロナ”の悪影響 岸田総理が習主席に問題提起
岸田総理大臣が、先週、中国の習近平国家主席との会談で、人の移動を厳しく制限するゼロコロナ政策による日系企業への悪影響について問題提起していたことが政府関係者の話でわかりました。
これについて中国政府は24日、「科学的な原則に基づき、常に最適化する」と述べ、感染拡大を抑えるメドがつけば、往来のさらなる拡大も検討する姿勢を示しました。
中国で続くゼロコロナ政策の下では、海外と中国、そして中国国内の移動も厳しく制限されるなど、中国に進出する外国企業の活動にも深刻な影響が及んでいます。
こうした中、政府関係者によると、先週行われた日中首脳会談では、岸田総理がゼロコロナ政策による日系企業への悪影響について指摘したということです。
これについて中国外務省の報道官は24日、「中国側は、外国企業の社員や家族の出入国手続きで配慮している」と述べ、中国政府としては外国企業の活動を後押ししていると主張しました。
また、国内外の移動制限については「科学的な原則に基づいて予防・コントロール措置を継続的に最適化する」と述べ、科学的な見地が得られれば、移動制限の緩和も検討する姿勢を強調しました。
中国は今月、海外からの渡航者に対する隔離期間を5日間に短縮する措置を打ち出しましたが、感染拡大を受けて国内の移動制限は緩めておらず、中国経済への深刻な影響が懸念されています。