ロシア兵士の母「死んだのか、行方不明なのか、捕虜になったのか」 不安…2か月近く「何も知らないまま」 国内で微妙な変化
ウクライナ南東部の製鉄所から大勢の兵士が投降したとロシア側が発表しました。親ロシア派の支配地域に送られたウクライナ兵らが、治療を受けたとする映像も公開。狙いはどこにあるのでしょうか? 一方、国内では侵攻をめぐって微妙な変化が起きています。
ウクライナ軍の反撃が続く中、ロシア国防省報道官は19日、「この24時間でマリウポリ市のアゾフスタリ製鉄所にいた771人のアゾフ連隊が降伏した」と明らかにしました。
製鉄所は激しい戦闘の末、事実上陥落。ロシア国防省は、3日間で合わせて1730人のウクライナ兵が投降したと発表しました。19日に同省が公開した、マリウポリで撮影されたとされる映像では、「進め」という声に従って歩く兵士たちの姿がありました。中には、松葉杖をついたけが人もいます。
18日には、ドネツク州で撮影したとされる別の映像も公開されています。製鉄所からドネツク州の親ロシア派の支配地域に移送されたウクライナの兵士らが、治療を受けたとされる様子が写っています。
兵士の1人は「包帯をしてもらい、食べ物もくれました。文句は言えないです」と話しました。
映像の公開で、人道的な取り扱いをしているとアピールする狙いがあるのでしょうか。
■兵士の母の会「十分な情報ない」
ロシア側の被害も拡大する中、軍事侵攻をめぐってはロシア国内でも微妙な変化が起きています。
兵士とその家族の権利を守ることを目的に組織された「ロシア兵士の母の会」の会長は、ロシア国防省から兵士の情報が十分に与えられていないと語りました。
会長
「(家族であるロシア兵が)死んだのか、行方不明なのか、捕虜になったのか、大勢の人が2か月近く何も知らないままなのです」
また「第一次チェチェン紛争でもロシア軍からこれほど多くの戦死者は出なかった」などと話しています。今後、ロシア国内でこうした動きが広がることはあるのでしょうか。
(5月19日『news zero』より)