ロシア繰り返し降伏迫る 「地下貫通弾」も投下か マリウポリ製鉄所で抵抗の部隊に
ウクライナ南東部マリウポリの製鉄所で抵抗を続けるウクライナの部隊に対し、ロシア国防省は20日も投降する時間を設定するとして、繰り返し降伏を迫っています。
ロシア軍が包囲するマリウポリのアゾフスタリ製鉄所について、ロシア国防省はウクライナ側の部隊が19日の投降期限に応じなかったとした上で、日本時間の20日午後8時から投降するための時間を設定すると明らかにしました。
マリウポリ市議会によりますと、製鉄所の地下シェルターには1000人以上の市民が避難しているということですが、大統領府のポドリャク顧問は19日ツイッターで、ロシア軍が地下施設に攻撃ができる「地下貫通弾を投下し続けている」と主張しました。
そのうえで、「子供たちへの殺人行為」だと非難しています。
また、ゼレンスキー大統領はロシア側が市民の避難を妨害していると強く非難しました。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領「マリウポリの状況は極めて厳しいままだ。ロシア軍は人道回廊の設置と人命を救う努力を、ことごとく妨害している」
一方、ロシア側は東部各地で攻勢を強めています。
クラマトルスクでは19日、攻撃によるものとみられる爆発があり、AP通信によりますと少なくとも1人が死亡、3人がけがをしたということです。
また、ロイター通信によりますと、ルハンシク州の都市クレミンナがロシア軍により制圧されたということです。
ロシア・ラブロフ外相「この作戦の新たなステージが始まっている。この特別作戦全体において、非常に重要な局面となると確信している」
ロシアのラブロフ外相は、目標は「東部地域の解放」で「作戦を続ける」と強調しています。
アメリカ国防総省の高官は、19日、ドネツク周辺などで始まった攻撃は限定的だとしつつ「より大規模な攻撃の前触れだ」と分析しています。