米国防総省高官分析「より大規模な攻撃の前触れだ」
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が東部制圧に向け新たな局面を迎える中、ロシア軍は東部ルハンシク州の都市を制圧するなど攻勢を強めています。
東部・クラマトルスクでは19日、攻撃によるものとみられる爆発があり、AP通信によりますと、少なくとも1人が死亡、3人がケガをしたということです。
また、ロイター通信によりますと、ルハンシク州の都市・クレミンナがロシア軍により制圧されたということです。
ラブロフ外相「この作戦の新たなステージが始まっている。この特別作戦全体において非常に重要な局面となると確信している」
ロシアのラブロフ外相は、目標は「東部地域の解放」で、「作戦を続ける」と強調しています。
アメリカ国防総省の高官は19日、ドネツク周辺などで始まった攻撃は限定的だとしつつ、「より大規模な攻撃の前触れだ」と分析しています。さらに、ロシア軍はウクライナ国内に追加の兵力を投入し続けていて、新たに2つの大隊が加わったと指摘しています。
一方、ロシア軍が包囲する南東部・マリウポリの製鉄所について、ロシア国防省はウクライナ側の部隊が19日の投降期限に応じなかったとした上で、20日も投降するための時間を設定すると明らかにしました。
マリウポリでは取り残された市民が過酷な生活を強いられていて、ゼレンスキー大統領はロシア側が避難を妨害していると強く非難しました。
ゼレンスキー大統領「マリウポリの状況は極めて厳しいままだ。ロシア軍は人道回廊の設置と人命を救う努力をことごとく妨害している」
こうした中、国連のグテーレス事務総長は19日、今月21日からの4日間、人道目的の停戦を実現するよう呼びかけました。マリウポリなど被害の大きい複数の地域に、人道支援を行うスタッフを国連として派遣する用意があるとしています。
これに対し、ロシアの国連次席大使は、「平和と停戦の呼びかけは偽善だ」などと反発していて、停戦が実現するかは不透明な状況です。