米最高裁 中絶の権利認めた判決の破棄に過半数の判事が同意か
アメリカの連邦最高裁で人工妊娠中絶の権利を認めた1973年の判決について、現在の過半数の判事が破棄することに同意していると、2日、アメリカの政治専門メディアが報じました。
政治専門メディア=ポリティコは、人工妊娠中絶の権利を認めた1973年の最高裁判決「ロー対ウェイド判決」などについて、最高裁判事の過半数が破棄することに同意している、との内部文書を入手し、報じました。
今後、判事の判断は変わる可能性がある、としているものの、この最高裁判決が破棄されれば、アメリカの野党・共和党が優勢な州で続く人工妊娠中絶を制限する動きが加速することが予想されます。
この問題をめぐっては、南部ミシシッピ州での中絶を制限する州法の訴訟の中で、権利を認めた「ロー対ウェイド判決」が有効かどうかも争われ、州が最高裁に上訴していました。
アメリカでは、人工妊娠中絶の是非をめぐって、世論が二分されています。
今回のポリティコの報道は、アメリカメディアが一斉に転電するなど、強い関心を集めていて、ことし11月の中間選挙に向けても大きな争点となりそうです。