なぜ強い? 支持広げるトランプ前大統領 共和党候補者選び
4年に1度、11月に行われるアメリカ大統領選挙に向けて、共和党の候補者選びが始まります。初戦の舞台は記録的な寒さのアイオワ州です。返り咲きを狙うトランプ前大統領が支持を広げる一方、現職のバイデン大統領には、ある「逆風」が吹き荒れています。
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アメリカ大統領選に向けた候補者選びの初戦を15日(現地時間)に控えたアイオワ州。
記者(アイオワ州・デイモン近郊、14日)
「マイナス27℃の中、トランプ大統領を一目見ようと支持者らが集会に入るために列を作っています」
集まっていたのは、トランプ前大統領の支持者です。
トランプ前大統領(アイオワ州・デイモン近郊、14日)
「君たちの1票で、我々はペテン師ジョー・バイデンを倒し、我々の国を取り戻し、アメリカを再び偉大な国にする!」
寒波に負けず、投票に行くよう訴えました。集会を前に、宿泊するホテルでも抜かりなく支持を呼びかけました。
アイオワは、選挙選の流れを作る大事な初戦です。しかし、トランプ氏は8年前ここで敗北していて、今回こそは勝利しようと力を入れているのです。
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長男のトランプ・ジュニア氏も、数多く集会を開き支持を訴えています。
――選挙の後(日本との関係)はどうなる?
トランプ前大統領の長男 トランプ・ジュニア氏(アイオワ州・デモイン近郊11日)
「バイデンが全てにおいて最悪だ。でもトランプが大統領に戻ったら、日本と素晴らしい同盟関係になるよ」
最新の世論調査では、共和党内ではトランプ氏が独走。ヘイリー元国連大使やフロリダ州のデサンティス知事を大きく引き離しています。
その“強さ”を支えるのが、白い帽子が目印の「コーカス・キャプテン」です。今回、陣営が初めて導入した各地域の責任者です。
コーカス・キャプテン(アイオワ州、13日)
「今回、地区の責任者として、あるリストを渡されました。『党員集会に来て支持するよう責任者が呼びかける人』というリストです。以前はそんなものありませんでした。今回は各地区を個別にターゲットにしている」
組織的な選挙戦で着実に支持を固めているのです。共和党で圧倒的な人気を誇るトランプ氏。最新の支持率は、バイデン大統領を上まわり、政権への不満の受け皿にもなっています。(トランプ氏45.8%、バイデン氏44.7% ※12月10日~1月12日平均値 リアル・クリア・ポリティクスより)
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首都・ワシントンと隣接するメリーランド州。教会の一角で行われていたのは、経済的な助けが必要な人に、無料で食料を提供する「フードパントリー」です。
記者(メリーランド州、6日)
「こちらでは食料などの無料配布が行われるということですが、配布の開始時間前にも多くの方が並んでいます」
利用者
「小麦粉、サラダ油、それからたまご。とても助かります」
この半年で利用者は2倍になったといいます。
フードパントリーの主催者
「以前は食料を購入できていた人たちも、今では手助けが必要になってきました」
ここ数年の物価上昇が日々の生活を直撃。不満の矛先がバイデン政権に向かい、バイデン大統領にとって大きな逆風となっているのです。
トランプ氏を支持 フードパントリー利用者
「ジョー・バイデンがいる今よりも、この男(トランプ)がいた2020年の方が安心できました。国の運営をわかっていて、世界をよりよくできる、この男(トランプ)が必要なんです」
バイデン氏とトランプ氏が再び対決する可能性が高まっている大統領選。アメリカ国民はどのような選択をするのでしょうか。