避難先からウクライナに戻る人々…妻らと“約2か月ぶり”の再会 モスクワでは軍事パレードのリハーサルも…
戦闘が落ち着きつつある地域では、避難先からウクライナに戻る人々もいます。ポーランドとの国境で取材をすると、避難していた妻と2人の子供との約2か月ぶりの再会を待つ男性がいました。
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3日、ウクライナ南東部のマリウポリのアゾフスタリ製鉄所などから避難してきた人たちが乗るバスが、南部のザポリージャに到着しました。
製鉄所から避難した人
「ウクライナ軍に『もう大丈夫』と言われて、落ち着きました。その後バスに乗ったら、涙が出てきました。 彼らはそこに残らなければならないから」
「女の子に『新しい人生を始めなきゃ』と言われたけど、まだちょっと…今までの人生は明るいものだった…それを取り戻したい…」
国連によると、ザポリージャに到着したのは127人です。
国連などの調整で市民らの避難が進められていますが、ウクライナのゼレンスキー大統領は自身のSNSに公開した動画で「ロシア軍が合意を守っていない。アゾフスタリに大規模な攻撃を続けている」と話しました。ロシア軍が再び、製鉄所への攻撃を再開し、ウクライナ側はロシア軍の攻撃で女性2人が死亡したと発表しました。
ロシア国防省は、「ウクライナ側の部隊が避難に伴う一時停戦を利用し、攻撃の準備を進めたため」と主張していて、今後さらなる避難が実現するかは不透明です。
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こうした中、ウクライナ西部のポーランドとの国境のシェギニでは3日、2か月前とは違い、大きな荷物を持ってポーランドから戻ってくる女性の姿が見られました。西部などで戦況が落ち着いてきていることから、避難先からウクライナに戻ってくる人々がいます。
国境で出会ったウクライナ人男性のアンドリーさん(40)は、2月末からポーランドに避難していた妻と2人の子供が戻ってくるといいます。待つこと約3時間、笑顔で強く抱き合い、約2か月ぶりの再会を果たしました。アンドリーさんは娘を抱きしめながら、「久しぶり、元気だった?」と声をかけます。その後、妻も抱きしめ、キスをしました。
アンドリーさん(40)
「感情が高まっています。ずっと会いたかったですから」
今後について、アンドリーさんの妻は「安全な限り、ずっと自宅にいたいです」と話していました。
日常が徐々に戻る中、心配な動きもあります。
これまで比較的攻撃が少なかったポーランド国境にも近い西部リビウの変電所が、攻撃を受けたのです。リビウ市長によると、ミサイル攻撃により数なくとも2人がケガをしたほか、市内の一部が停電したということです。
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日本時間4日午後5時ごろ、ロシア・モスクワでは戦闘機がロシア国旗のカラースモークを出して低空飛行していました。5月9日に控えたロシアの戦勝記念日の軍事パレードのリハーサルが行われたのです。
節目の日に向けて、ロシアが攻勢を強めています。