米国務長官「このタイミングで意味ない」米露外相会談中止を表明
ロシアがウクライナ東部へ軍の派遣を指示したことなどを受け、アメリカのブリンケン国務長官は、今週予定されていたラブロフ外相との米露外相会談を中止すると表明しました。
ブリンケン国務長官「侵攻は始まっているとみている。このタイミングでの会談には意味がない」
アメリカとロシアは今週24日にスイスのジュネーブで外相会談を行うことで合意していましたが、アメリカは「侵攻がないこと」を条件に挙げていました。
ブリンケン長官は、プーチン大統領がウクライナ東部の親ロシア派地域に軍の派遣指示を出したことなどを念頭に、「ロシアは外交を拒む姿勢を鮮明にしている」と批判しています。
ブリンケン長官は外相会談中止の意向について、同盟国の了承も得たとした上で、すでにロシア側に書簡を送って伝えたとしています。
外相会談が中止されることで、両国が原則合意していたバイデン大統領とプーチン大統領による首脳会談の開催も実現が不透明な状況になりました。
また、ウクライナのゼレンスキー大統領も「国土への攻撃が起きているのは間違いない」と述べ、ロシアとの国交断絶を検討していると明らかにしました。
一方、プーチン大統領はウクライナ東部への対応について、紛争解決に向けたミンスク合意は「もはや存在しない」とする一方で、ロシア軍が即座に派遣されるとは言っていないとしています。
ロシアが平和維持活動の名目で軍を派遣するとしたことについて、国連のグテーレス事務総長は、平和維持の概念がねじ曲げられていると批判した上で、「世界は近年で最大の平和と安全保障の危機に直面している」と懸念を表明しました。