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【中継】恒例の記者会見なぜとりやめ? 「全人代」開幕…中国の今後は

2024年3月5日 23:52
【中継】恒例の記者会見なぜとりやめ? 「全人代」開幕…中国の今後は

中国の国会にあたる年に一度の全人代=全国人民代表大会が5日に開幕しました。全人代で恒例だった首相の記者会見を今回は取りやめたのはなぜなのでしょうか。

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ことしの全人代の最大の注目は低迷する経済の立て直しです。

李強首相は、ことしの経済成長率の目標を5パーセント前後と去年と同じ水準に設定した一方で、演説の中では危機感をにじませました。

李強首相
「中国経済の持続的に回復する基盤はまだ盤石ではない。成長期待が相対的に低くリスク要因が依然多くある」

また、経済を押し上げるために「財政政策を最大限にいかす」として、ことし、およそ21兆円の超長期特別国債を発行すると表明しました。

しかし、ある日中外交筋は「具体的な使い道も示されてなく、全体的に経済政策が煮詰まっていない印象だ。これで本当に5%の成長が可能なのか」と疑問の声を漏らしました。

また、急速な外国企業の“中国離れ”が深刻化する中、李強首相は「インベスト・チャイナ」、つまり中国に投資する、ということをブランド化すると打ち出しました。しかし、反スパイ法など、外国企業の懸念を払拭する具体策はありませんでした。

――その李強首相、全人代で恒例だった首相の記者会見を今回は取りやめたということですが、なぜなのでしょうか。

ある日本政府関係者は、「李強首相が習近平国家主席の意図しないことを発言してしまうリスクを恐れたのでは」と指摘しました。

実は、前首相の李克強氏が、4年前の会見で「中国では6億人が月収2万円以下」と発言し、習主席が強調していた「脱貧困」の成果と食い違っているのではないかということが話題になりました。首相に対して、外国人記者も質問できる唯一の定例の場だったのですが、失言などのリスクを回避したとみられています。

長年続いてきた慣例を十分な説明なく変更する、習主席の一強体制がさらに強まっていることを象徴しているようにも感じました。