核の脅威も士気衰えず ウクライナいまの様子は ≪現地中継≫
「核」の脅威にいま最も脅かされているのがウクライナです。侵攻からまもなく1年3か月。ウクライナ国内はどんな様子なのでしょうか。首都キーウから橋本記者が中継で伝えます。
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キーウの中心にある独立広場です。金曜日の夕方ということもあり、街は多くの人でにぎわっています。一見すると日常が戻っているかのようにも見えますが、反転攻勢を前にロシアによる集中的な攻撃にさらされています。
私が滞在しているホテルからも、ロシアのミサイルや無人機をウクライナ軍が迎撃する際の非常に大きな爆発音が何度も聞こえるなど、攻撃が市民生活のすぐそばまで迫っていることを実感します。
こうした中、キーウの学校では、ロシアによる核攻撃を想定した訓練が毎週行われています。生徒たちはレインコートや手袋、ゴーグルなどを着用した上で、放射性物質に見立てた小麦粉の入った風船を破裂させ、外部被ばくから身を守るための方法を学んでいます。
参加した子どもたちは、「ロシアには絶対に核兵器を使用してほしくない」「核攻撃は怖いが、命を守れるようしっかり備えたい」と真剣な表情で話していました。
そうした状況のなかゼレンスキー大統領の来日が決まりました。ウクライナの国民は、大統領の日本訪問に大きな期待を抱いています。「いまウクライナに必要なのは何か」と市民に聞くと、ほとんどの人が「とにかく武器だ」と答えるなど、大統領が国際社会にさらなる支援強化を訴えることを期待しています。
市民「私たちは戦争の中で生活を送っています。支援だけを求めています」
また現在、反転攻勢に向けてウクライナでは新たに志願兵の募集が行われていますが、すでに数万人規模の民間人が応募するなど、戦争が長期化する中でも領土奪還への士気は決して衰えていません。その反転攻勢では、領土をどれだけ奪還できるか、そしてロシア軍撤退への道筋をつけられるかが焦点です。