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イスラエル「戦争状態」報復を宣言 攻撃応酬…死者1200人近く ハマスの奇襲攻撃…中東情勢めぐる動きに危惧?

2023年10月9日 20:47

パレスチナ自治区のイスラム組織「ハマス」とイスラエルの戦闘が激化しています。大規模な攻撃の応酬が続き、すでに死者は1200人近くにのぼっています。なぜ今、ハマスは大規模な奇襲攻撃に出たのでしょうか。

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衛星テレビ局アルジャジーラは7日、中東の激戦地からの中継を行っていました。キャスターが「今わかる状況をリポートできますか」と呼びかけた次の瞬間、突然、リポーターの後ろの建物が爆発したのです。

キャスター
「避難してください。もし安全な状況なら何が起きたのか説明してください」

この問いかけにリポーターは「大丈夫です…」と答え、中継は継続されました。

リポーター
「パレスチナタワーへのミサイル攻撃です」

爆発の原因はミサイル攻撃です。この時、リポーターがいたのは、中東イスラエルにあるパレスチナ自治区のガザ地区。イスラム組織「ハマス」が実効支配している地域で、今、イスラエルとの戦闘が激化している場所です。

きっかけは今月7日のハマスの攻撃でした。ロイター通信などによると、イスラエルに向けて2000発以上のロケット弾を放ち、イスラエルとの境界にあるフェンスを破壊。ハマスの戦闘員がイスラエルに侵入するなど、大規模な攻撃を開始しました。

ガザ地区の境界付近では、ハマスの戦闘員が屋外で開かれていた音楽祭を襲撃。多くの若者が犠牲になり、260人以上の遺体がみつかったということです。

さらに、ハマスはイスラエルの兵士や民間人を拘束しました。

ハマス戦闘員(ガザ地区 今月7日公開)
「女性の兵士だ」

イスラエル・メディアによると、約130人を人質にとったと主張しているといいます。

ハマスは昼夜問わず攻撃を続け、イスラエル側ではこれまでに700人以上が死亡し2000人以上が負傷。ネタニヤフ首相は「戦争状態にある」として大規模な報復を宣言しました。

そして、ハマスが実効支配するガザ地区を空爆したのです。地面には巨大な穴があき、街はがれきの山になりました。

ガザ地区の住民
「予告もなしに撃たれた」

生き埋めになった人がいるのか、住民たちが必死にがれきを動かす様子も見られました。

ガザ地区でも多くの犠牲者が出ていて、パレスチナ側の保健当局は子ども78人を含む、493人が死亡し、2751人がケガをしたとしています。

双方の攻撃による死者は1200人近くにのぼっています。

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なぜ今、ハマスは大規模な奇襲攻撃に出たのでしょうか。専門家は、イスラエルによる弾圧への不満に加え、中東情勢をめぐる動きとの関連を指摘しています。

現代イスラム研究センター 宮田律理事長
「サウジアラビアとイスラエルの国交正常化が成立するのではといわれているが、邪魔する、妨害するという目的もあったかもしれません。アラブ諸国の国交正常化によって『パレスチナ人たちが忘れられてしまうのでは』、そういう危惧とか懸念もあったと思うんですね」

今後、イスラエル軍はガザへの地上侵攻も視野にいれているとみられ、情勢が長期化する恐れがあります。